時代はスマートローラーでしょ!
ってことで、Thinkrider X5 neoを購入。チームメイトがX7を使っていて、良いとの話だったことも後押しした。
X5 neoのスペック
メーカー Thinkrider
モデル X5 neo
通信 Bluetooth、ANT+、FE-C
精度 ±2%
重量 22kg(フライホイール6kg)
最大斜度 15%
最大出力 2000W
対応ホイール 24、26、27.5、700C、29
カセット シマノ11s(スラムXDRとカンパはオプション)
まぁ通り一遍の機能は付いているスマートローラーと言える。
www.thinkrider.com
購入について
購入先 アリエクスプレス
価格 ¥66,926
国内で一般的なスマートローラーを買おうと思うとだいたい12~15万ほど。半値近いと考えれば相当お得。
今回は上記金額に加えて消費税を別途1,500円支払った。*1。
納期はUPS使用で1週間
付属品
本体、ACアダプター、ユーザーマニュアル、クイックリリース、前輪を置くフロントホイールスタンドと必要最低限の構成。意外だったのは、スルーアクスル対応アダプターは別売なこと。ディスクブレーキバイクで運用を考えている人は注意。ACプラグは最初から日本仕様の2穴タイプが付属していた。それ以外のプラグは付いていなかったので、注文国の仕様にしてから出荷してくれたってことかな。
デザイン
本体はマットブラック。ほぼ真四角のシンプルデザイン。クロームメッキが掛かった翼のような形状脚部が組み合わさり、なかなかセンスある作りだと思う。そこで勝負するものではないが、正直国内のローラー台メーカーに対して周回差つけてる。
サイズ
実測で、幅60㎝、高さ49㎝、奥行き53㎝。サイズ感としては一般的なダイレクトドライブ式のローラー台と同じくらい。Thinkriderの名を上げるきっかけになったX7は幅が90cmと非常に幅広で、人によっては床敷のマットからはみ出していた。それに比べるとだいぶん実用的なサイズ。重量は約20kg。クッソ重いですw 出しっぱなし運用しかない。
UI
本体にはスイッチ類は一切無し。電源ボタンが無いのでコンセントの抜き差しでON/OFFする。本体後方にLEDランプが内蔵されていて、電源ON時はLEDが点灯する。スイッチ付タップ買って乗らない間は切っている
排熱
内部に温度センサーがあって、フライホイールが動いている間、もしくは一定の温度を超えているときにファンが作動する仕組み。スイッチが無いのは、乗ってなくてもファン作動をさせたいという意図なのかな?もしかしたら真夏の日中は電源入れてクーリングしておいた方が良い?ちょっとここは時間を掛けて確認しよう。
静音性
めっちゃ静か、と言いたいところだが残念ながらクーリング用のファンノイズがそこそこある。音量的には家庭用扇風機の中くらいかな。走行中これはオフに出来ない。ドアを閉めれば隣の部屋に漏れるようなものではないが、音楽を掛けたりしないと気になるかも。ファンノイズを除いた機械的なノイズはほぼ無い。Thinkrider X7にはファンが無いので、無音のが良いならX7の方が良いかも。まぁ音はあるが熱による故障(いわゆる熱暴走)は抑えられるのではないかな、とポジティブに捉えている。
そもそも自分は工業扇を使っているので、静音もくそもないんですがw
ちなみに、工業扇はリモコン付きのものが良いと思う。風が強すぎて冬場のウォームアップやレスト時に寒すぎる。自分は電源部にリモコンをセットして使っている。これだと乗ってるときに電源ON/OFF出来て便利
アプリケーション
スマホにThinkriderToolsというアプリケーションを入れ、これでキャリブレーションとファームウェアのアップデートを行う。ユーザーマニュアルにはキャリブレーション済みと書いてあったが、念のためいちどキャリブレーションした。
play.google.com
パワーメーターと負荷装置
パワー測定はどうやってるのか色々調べたが、フライホイールがどのくらいの速度で動いているか、で計算しているらしい。つまり脚を止めても、フライホイールが動いている限りパワーは表示される。ボートの練習に使うローイングマシンと同じ仕組みかな。クランク式のパワーメーターはひずみゲージを使っているので原理が根本的に異なる。
負荷はモーターで電気的に加えている模様。
ThinkriderToolsのキャリブレーション画面に温度表記があるので、もしかすると温度補正しているのかも?これは未検証。
内蔵のパワーメーターではパワーのみ測定でき、ケイデンスは取れないので別途ケイデンスセンサーを購入した。
パワー精度
スマートローラーは何は無くとも精度が命*2。下記の通り検証。
・バイクにパイオニアのペダリングモニターを取り付け。
・Zwiftで検証用のワークアウトを作成
・Thinkrider内蔵のパワーメーターからPC経由でZwiftに出力
・パイオニアからはGarminに出力(ラップは手で押す)
・ZwiftデータをStravaからダウンロードし、GarminConnectへインポート
・GarminConnectに2つの走行データが出るので、各ラップの平均パワーを比較する
図示するとこう
検証用のワークアウト
200W×5分
250W×5分
280W×3分
300W×2分
350W×1分
ケイデンスは極力85~90で一定とした。
Z1などの低いパワーはあまり重要ではないし、また、スプリントなどの高いパワーは正確に測るのが結構難しそうなので今回はパス。あくまでもZwiftレースやワークアウトで頻出の出力帯で精度検証。
各ラップを比較した結果はこんな感じ。
比較的低いパワー帯では両者の差が小さいが、上のパワー帯ではパイオニアが高く出る傾向。最大でも4%程度なので、個人的には十分満足かな。
Intervals.icuだと、FTPを実走とインドアトレーナーとで分けて運用できるようになっている。TSSをちゃんと管理したい人はIntervals.icuに2つのFTPを設定しておけば良い。
ERGモード
スマートローラー購入のきっかけは、このERGモードが欲しくてなわけで。これがダメだと困る。最近はERGモード前提のワークアウトなんかもあるようで、スマートローラーじゃないと完遂出来ないメニューもあったりするらしい。
Thinkriderのレスポンスは非常に良い!だいたい1秒ほどで負荷が変わり始める。ペダリングが「右→左→右」くらいのタイミングで負荷が変わり始め、変化は結構あっという間。メーカーによってはこの負荷変更に5秒ほどかかるものがあるようなので、そうとう俊敏だと思う。また「トルク抜け」のような、途中で負荷が勝手に変わってしまうようなことも無い。
これ、Zwiftワークアウトの目標パワーに対する緻密さが上がるね。今までのダイレクトドライブ式でのワークアウトだと、目標270Wに対して250Wくらいで走っても許容されていたのだが、ERGモードだと目標ぴったりじゃないとダメ。だからSSTみたいな一定パワーで長時間やるワークアウトが今までより苦痛。今まで出来たワークアウトが5%落ちでなんとか、という感じ。逆に言えば、今までは目標に対して出力が下振れしていたということだろう。自分に甘かったということだw
あと、ERGがあると変速しなくて良くこれもすごく良い。何も考えなくても画面を見なくてもたんたんとペダルを漕ぐだけで目標出力を維持できる。
ERGモードで走ると、従来のローラーにありがちだったブレーキを掛けながら走るような強いストレスが無く、より実走に近い。腰や太ももに対するダメージが軽減されたような気がする。レースで追いこんでも疲労感が少ない。よく2部練をやってる人がいるが、なるほどスマートローラーなら可能だなと思った。
これ買ってからZWIFTの走行距離めっちゃ伸びた。
耐久性
これは未知数だね。精密電子機器ということを考えると10年は無理かな~。5年は持ってくれ!という気持ち。
サポート
海外から購入したのでサポートはあんまり期待できなさそう。とにかく壊れないように祈るのみ。ただ、Aliexpressのショップを覗くと、交換用ベルトやフリーなんかもちゃんと売ってるので、ハードウェア的なトラブルならなんとかなりそう。ソフトウェアが潰れたらどうしようもない。
その他
カタログに嘘がある。左右へ8度づつ揺れることでフレームへのダメージ軽減と自然なペダリングを、みたいなことが書いてあるが、揺れませんw いや、揺れるのかもしれないけど、触ったり乗ったりする限りそういうギミックは確認できない。
ここ理解して買った方が良い。中国製品あるあるなんだが何とかせいよ。
【追記】
スイングするという機能についてはもう少し深堀りしてみました
まとめ
【PROS】
・廉価でスマートローラー入門に良い
・実走に近く、脚当たりが良い→2部練が可能に
・ワークアウトに対する緻密さが上がり、トレーニング精度向上
・誤差小(最大4%)、ERGモード反応良し
【CONS】
・海外輸入なのでサポートが期待できない
・ファンノイズで静音性はいまひとつ
・カタログに嘘がある
こんな感じです。耐久性とサポートがギャンブル気味だけど、機器としては良いと思う。
【追記】
Amazonで安く売ってるのでもうこっち買った方が早く届いて良さそう。
ちなみにいつの間にかX5-2 Neoにバージョンアップしてた。
X5NeoとX5-2Neoの主な違い
1.銀溶接ベースが一体成形ベースに変更され、ベースの強度が向上します2.鋳造プーリーを一体型鍛造プーリーに変更し、強度と剛性を向上させます
3.サイクリングプラットフォームの内部構造をアップグレードして、最大スロープダンピングを15%から20%に増やします。
「銀溶接ベース」の意味は良く分からないが、ベースが旧バージョンは「リブ溶接+メッキ仕上げ」だったのが新バージョンは「プレスでリブ形成+黒塗装」に変わってる。
あと、Amazonの説明を読むとスルーアクスルアダプターが最初から付属しているっぽい?
*1:どう計算したら1,500円になるのか。。。w
*2:まぁ正確には、現有のパワーメーター類との差が小さいということですが
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