TKC氏がブログで「スチールフレームが欲しい」と言ってる
他にもどなたかYoutuberの方が鉄系を買うとかなんとか…(誰だか失念)
これからスチールバイクがひと波くるのかもしれないな、とふと思った
スチールバイクが来そうな理由
スチールが好まれるというか、カーボンじゃなくても良いよねって空気はあると思う。理由は3つくらいだろうか
サイクリストのレース離れ
コロナ以降、サイクルイベント、とりわけレース系の集客力が落ちていると聞く
そこそこ大きなレースでも参加人数上限が埋まらないとか、エントリー期間を延ばしたりとかなんとか。そういや自分もコロナ以後はシクロクロスを除いたレースイベントには出ていない
レースじゃないなら、ハイエンドバイクなカーボンじゃなくて良いんだよなぁ
非コンペティションバイク(オールロード/グラベル)の普及
オールロード/グラベルバイクが一気に増えた
例えば10年前、2013年と2023年のメリダのラインナップ(※)を見てみると
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Merida |
2013 |
2023 |
ロード |
ロード |
9 |
19 |
|
エンデュランス |
|
4 |
|
オールロード/グラベル |
|
4 |
|
ロード計 |
9 |
27 |
MTB |
クロスカントリー |
26 |
16 |
|
オールマウンテン |
5 |
5 |
|
エンデューロ |
4 |
2 |
|
MTB計 |
35 |
23 |
|
合計 |
44 |
50 |
エンデュランスロードとオールロード/グラベルという新しいカテゴリーがここ10年で登場している(0→4)。減っているのは(26→16)MTBの”クロスカントリー”相当のカテゴリーだ。原因は700Cバイクのディスクブレーキ化とチューブレス(レディ)タイヤの普及が要因じゃないかと思う。今までMTBでしか走れなかった未舗装路をドロップハンドルバイクでも走れるようになり、そのニッチにいたエントリーMTBが食われて削減された、という流れだ
「クロスバイクよりもカッコ良くて、通勤やツーリングにとタフに使える10万円前後の自転車枠」が10年前は26インチMTBだった。ところが今はそこのポジションをグラベル/オールロードが担っている、というね
また、オールロード/グラベルバイクの多くにアッセンブルされるGRXはここ10年で最良のグループセットだと思う。パーツが豊富なリア11速、良く効く油圧ブレーキ、フィットに優れたSTIのデザイン、トラブルの少ないフロントシングル構成、ワイドなギアレシオ…。必要にして十分。これもオールロード/グラベル普及の後押しをしていると思う
※これはメリダが過去のモデルもアーカイブしているので参考として出しました。おそらく他メーカーでも同様の傾向が見られると思います
インテグレーションバイクへの反動
近年のハイエンドバイクは「インテグレーション化」が進んでいる。ステム一体のハンドルバー、ケーブル完全内装、フレーム一体設計のシートポストEtc.
こういったバイクはレース機材としては優秀なのだが、バーテープとサドル、あとはタイヤくらいしか交換出来ず、趣味の道具としてはやや味気ないところがある。また、一体型ハンドルバーを持つバイクは複数のアクセサリーを取り付けられず、気軽なツーリングユースには向いていない
こういったインテグレーション化への反動があるのでは?ステムとハンドルバーは別体、丸シートポスト、シンプルなケーブル外装…。そういう原点回帰の動き
ハイエンドカーボンの高騰
ハイエンドカーボンバイクの価格はうなぎ登り。既にトップレンジは完成車200万円の世界。当たり前だが誰でも200万円出せるわけではない。栗村氏も少し前に輪生相談で触れている
対してスチールは比較的価格がこなれている。枯れた技術!
国内メーカーへの回帰
カーボン離れみたいなことに加え、国内メーカーに対する再評価も進むのではないか
為替が円安基調
円安基調で輸入品が高い。最近はやや落ち着いているが、2023年モデルの価格設定は円安の頃に行われている。原油高な背景もあり、当面この傾向は続くだろう
となると為替リスクを受けにくい国内メーカーをチョイスするメリットが生まれる。
↓
つまり、国内かつスチールの再評価
非コンペティション、機材の進化によるグラベル/オールロードの普及、名作コンポーネントのGRXなど複数の理由により、スチールの再評価が進み、円安と原料高によるハイエンドバイク価格の高騰によって国内回帰が進み、つまり国内メーカーのスチールフレームの人気が出るんでは、と
アルミじゃだめか
スチールじゃなくてもアルミもありだと思うんですよね。ピストバイクやパンプトラック用DJバイクなんかは剛性の高いアルミフレームが好まれているし。だた、こう、ニュアンスの問題なんですが、スチール>アルミな気がしない?
国内スチール系フレーム工房/メーカー
小規模な設備で出来、少数ロットでの生産が可能なスチールフレームは工房が多い。のれんわけで増えるラーメン屋と同じ
フルオーダーの流行は限定的?
オーダーメイドでスチールフレームを作る工房はたくさんある…がこの流れに乗れるところは少ないのかなと思う。そもそも家内制手工業で急にオーダーが増えてもさばけないだろう。こないだハンドメイドバイシクル展行って思ったけど、オールロード/グラベルのノウハウが無い(興味も無い)ところも割とありそうだった
本命は流通系フレーム
となると、流通系(卸やショップ)が作るオリジナルスチールフレームに人気が集まる気がする。大手に出来ないようなチャレンジもしつつ、CQDのバランスが良い
C-by CLAMP(CLAMP)
メジャートム(エイリン)
ワンバイエス(東京サンエス)
ダボス(フカヤ)
海外のスチールフレームもいいね
海外のメーカーでも、そこそこ価格がこなれているスチールメーカーは多い
Surly
VELOCI
SQUID(クロモリのほかにアルミもあるけど)
まとめ
スチールグラベル系バイク、メインストリームにはならないけどそれなりに人気が出そうな気がする、よという話
自分も既にスチールグラベルフレームをオーダーしているのでスチール仲間が増えたら良いなぁ、みたいな気分もある
コメント
なかなかおもしろいですね。自分は、藤沢市在住の66歳の初老の者です。70年代前半からロードメインに乗り始め、ツーリング車もサブで小旅行を楽しんできました。ここ3年は、グラベルロードに嵌り基本トランポですが、神奈川、山梨、房総のグラベルにかなり行きました。又、シニアの仲間キャンプツアーも楽しんでいます。最近はソロが多いですが、今年のシマノではグラベルショート。ロングの2つを走りましたけど上りが弱く最終完走となっています。機会が有ればご一種してみたいですね。
松淵様こんにちは。機材は軽量、高剛性、高強度、高快適性な方向に進化していますので、本来であればカーボン素材に乗るのが最適なんですが、こと趣味性の高いカテゴリーに関してはそうでもないのかな、という印象があってエントリーをあげました。私はブログに書いている通りグラベル・マウンテン・シクロクロスを楽しんでいます。シマノバイカーズフェスティバルのグラベルイベントに出ていますので、もしかしたらご挨拶くらいは差し上げたかもしれません😆