イギリス、実はMTB大国だと最近気づいた。
【図】各国のMTBメーカー数(筆者調べ)
メーカー数では、アメリカに次いで堂々2位。StantonやRagleyなどの小規模ながらきらりと光るバイクを作るところが多い。MTB以外にもブロンプトンやブルックス、ラレー、HOPEなどイギリスの自転車関係メーカーは多い。そういやWiggleもCRCなど、流通系もイギリスが目立つ。
【イギリスのMTBメーカーたち】
小規模で知名度が低いところが多いので、ここで一挙紹介。ABC順。
Bird Cycle Works
主にオールマウンテン、エンデューロバイクをリリース。アルミ主体。
https://www.bird.bike/
Brother Cycles
グラベルやアドベンチャー系がメイン。細身のスチールフレーム!
www.brothercycles.com
Coal Bikes
オールマウンテンハードテールのPONYをリリース。もちろんスチール!
www.coalbicycles.com
Cotic
フルサスオールマウンテン、エンデューロバイク。スチール!
www.cotic.co.uk
Curtis Bikes
以前はモトクロスフレームを作っていたとか。BMX、エンデューロ、DJ系。やっぱりスチール!代理店はカーティスジャパン
www.curtisbikes.co.uk
GENESIS
ロードやグラベルがメイン。やっぱりスチール!
www.genesisbikes.co.uk
https://www.genesisbikes.co.uk/genesis-longitude-vargn21530
Geometron MTB
エンデューロフレームリリース中。アルミフレーム。
geometronbikes.co.uk
HOPE tech
ブレーキやヘッドパーツで有名だが、近年はバイクもリリース。カーボン。
www.hopetech.com
IDENTITY Bikes
オールマウンテン、ダートジャンプ系。アルミフレーム*1
www.identitibikes.com
Orange Bikes
オールマウンテン、エンデューロ中心のアルミメーカー。直押しサスがアイコン。代理店はGroovy International。
www.orangebikes.co.uk
OTSO
ウルフトゥースが手掛けるグラベル/MTBブランド。代理店はオルタナティブバイシクルズ。
otsocycles.com
Pace Cycles
エンデューロ、オールマウンテンが中心。スチールとカーボン。
pacecycles.com
Planet X
直販も行うので日本でも知名度高い?かなりリーズナブル。スチール、アルミ、カーボンなんでもOK
www.planetx.co.uk
Privateer Bikes
エンデューロバイク。アルミ。
www.privateerbikes.com
Radical All Mountain Cycles
名前の通りオールマウンテンフレームを出している。スチール!
radicalallmountain.com
Ragley
wiggle等でも売ってるので日本でも乗ってる人結構いる。スチール&アルミ
ragleybikes.com
Ribble
ロード、グラベル、マウンテンまでフルラインナップ。アルミ、カーボン、スチール、チタンまで。
(2024年2月追記:MTBは現在はラインナップ無)
www.ribblecycles.co.uk
Saracen
カーボン中心のエンデューロ、DHメーカー
www.saracen.co.uk
SONDER
グラベルやオールマウンテン。アウトドア用品メーカーが主体。アルミ、チタン、カーボン。
www.alpkit.com
Stanton
ハードテールバイクが日本では良く走ってる。スチールメイン。代理店はオルタナティブバイシクルズ。
www.stantonbikes.com
Starling Cycles
オールマウンテン系。スチール!
www.starlingcycles.com
Stif Mountain Bikes
ショップだがStif Squatchというオリジナルフレームをリリースしている。
Stif Squatch Framewww.stifmtb.com
ブリテンスチール好きすぎでしょ。
しかしなぜ?なぜイギリスにはMTBメーカーが多いのだろう?小規模なところが多いし、生産台数ではアメリカ、中国、台湾、カナダ、フランス、スペイン、ドイツより圧倒的に少なさそう。競争厳しい世界で、小規模メーカーが生き残り、イギリスがMTB大国な理由はどこにあるのだろう?(正確には生産規模は小さいので「MTB大国」ではなくて、「MTBで大きな存在感を示す国」というのが正しいのだろうけど)
例えば日本。戦後、非常に多くの自転車メーカーが存在したのに、中台とのコスト競争に敗れ、今は見る影もない。それに対して、イギリスの底堅さはなんだ?
osampo2001.sakura.ne.jp
【想像だけどイギリスが強い要因】
〇地理的、言語的要因
・アメリカという言語が同じ巨大マーケットがある
・EU各国とも地理的に近いためビジネスしやすい(今後は離脱で不透明だが)
〇技術的要因
・(60年代までの)モーターサイクル大国時の技術蓄積がある
・昔からやっているので設備の減価償却が進んでいる(維持費が安い)
・鋼管メーカーのレイノルズがあり、部材の調達の面で有利
〇開発力要因
・優良なトレイルが国内に多く、R&Dが行いやすい
〇マーケティング要因
・激しい価格競争に晒されるママチャリジャンルをあえて避けた
〇産業政策要員
・小規模メーカーが継続しやすい政策を政府が打ち出してる
ただ、この辺は結果論だよなぁ。日本だって競輪市場に裏打ちされた小規模スチールメーカーが沢山あるけど、MTBを生産しているのは数えるほどしかないもんな(90年代には結構あったけど撤退したイメージ)。ただ、00年代のピストブームの際に、世界的に販路を広げた日本のスチールメーカーがほぼゼロだったことを考えると、英語圏であることは結構重要なのかもしれない。
考えてみたけど結論は出ませんでした!識者からのタレコミ募集!
イギリス行ってトレイル走ったら分かるかもw
【追記】
ちょっと掘り下げ
*1:2021年9月追加
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