シマノの名作ペダルPD-MX80そっくりのペダルがアリエクスプレスで売ってた。その名も「MZ-M80」。
メーカーはMZYRH。読み方は不明。ムジィラァ?ミツィルハ?webページ等は無く、詳細は不明。アリではペダルが沢山ヒットするのでアルミ加工がメインなのかな?
似、似てるwww
試しに購入してみた。
形状
ボディやスピンドルの形状は本物と同じに見える。ちゃんとコンケイブも付いてるし。遠目にはMX80と見間違うんじゃないだろうか。
仕上げ
表面処理、これがやたら甘い。塗装が超適当だし、ボディにうっすらとバリが残ってる。なんだこれ?今どきここまで出来の悪いペダルはないぞ?
重量
重量はペアで465g
PD-MX80の公称値はペア500gなので、本物よりちょっと軽いかな?
ピン
これはシマノ純正っぽくも見える。ネジロック剤が塗布されているが、申し訳程度。シマノ純正のピンはネジ部が真っ青になるくらい塗りたくってるのでこの辺の気遣いには雲泥の差が。あと、MX80はピンにワッシャーが噛ませてあって、ピンの出シロを調整できたはずだけど、これにはワッシャーは無し。
ベアリング
シャフトを手で回した感じは、ヌルヌルのいわゆるシマノっぽい手触り。
インプレ
この手のパーツは使ってなんぼ。とりあえずトレイルに持ちこんでみた。ライドした感じはごく普通のフラットペダルかな。食いつきも良好。そこまで重さも感じなかった。コンディションは良かったので泥つまり等の確認はできず。特にトラブルは無し(面白くないw)。まぁ形はシマノと同じに見えるし、性能面ではおかしなところはないだろう。
現行XT(PD-M8040 SMサイズ)も持っているが、食いつきはほんの少し現行XTの方が良いかもしれない。踏み面が一回り大きく、安定感に若干差がある。
耐久性は未知数だが、ピンとシャフトは本物と同じものが使えそうなので、最悪すぐゴミになることはなさそう。
結論としては、こりゃMX80の劣化コピーだ。部品単位で見ると本物と同じ物が使われている可能性があるが、シマノ特有の高品質な感じが全くない。ボディの型はシマノを流用しつつ、加工や組み立てはシマノとは別の工場を使っているんじゃないかな。
価格
このMZ-M80、アリエクスプレスだと2500円ほど。
www.aliexpress.com
Amazonだと3000円ちょっと。
本物のMX80の後継機種、GR500は6000円ちょっとで売ってる。
ざっくり本物と倍の価格差か~。クオリティがMX80と同じくらいなら「激安!」と言えるんだが、使い勝手はともかくとして、全体的に残念な仕上がり。「安いけど、品質は価格相応」だな。食いつきはシマノ同等だと思うので、1円でも安いものが欲しい人とか、消耗品(使い捨て)扱いできる人むけかなぁ。
本物のMX80も注文済みなので、届いたら比較記事書くかも。
【書きました】
【閑話】
それにしても、このペダル、シマノの知財権を侵していないの?
工業製品に関する法律と言うと、「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」などがあるけど、関わりそうなのはデザインに掛かる意匠権だろうか。
うーん、これ意匠(デザイン)が特許庁に出願されている必要があるのかぁ。特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べたけど、該当するものは無し。つまり意匠権は侵していない。
意匠権ではなくて、「景表法(不当景品類及び不当表示防止法)」か、「不正競争防止法」ならどうだ?
不当景品類及び不当表示防止法 – Wikipedia
不正競争防止法 – Wikipedia
不正競争防止法での「デッドコピーの禁止」が該当する?
むむ、デッドコピーは販売開始から3年間が経過すると適用されなくなるのか。PD-MX80のwebページには発売2013年とあるので、この規定は適用されないだろう。
bike.shimano.com
軽く調べた範囲では、このペダルは法に触れるものではないみたいだ。商売上の倫理観みたいなものはさておいて、だけど。
素人考えだが、この製品を販売中止とかに持ち込むのは難しそうだ。シマノ法務が本気になれば何とかできそうな気もするけど、微妙な案件は長期化するし、コストに見合わないのかもしれない。まぁ国内のメーカーがこんなの作ったら二度と日本で商売できなさそうだけど、中国だからなぁ。。。
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