1年以上乗った中華チタンモンスターグラベルのロングタームレビューです
2023年にオーダーして作り上げ、乗り始めたのが2023年末頃。1年以上が経過し、棚卸的にレビューしておきたいと思います。乗った時間だけで言えば、これまでの歴代バイクの中でも上位に入ってますね。かなりのお気に入りです

コンセプト
コンセプトは「ハードなグラベルを走るためのバイク」。私が住んでる神奈川県のグラベルフィールドは山岳地帯に位置していて、急勾配でガレ場が多いのが特徴。そんな環境では一般的なグラベルバイクよりもMTB寄りの設計が理想的だと考えました。ジオメトリーは某モンスターグラベルバイクにインスパイアされています
現状のパーツアッセンブル
1年間で変速系は3種類、タイヤも3種類、ハンドルバーも3種類、フォークは2種類を試してきました。一部課題が残りますが、かなり煮詰まったアッセンブルになってます
2025年4月のアッセンブル
フレーム | 中華チタンモンスターグラベル(Comeplay社製) |
フォーク | BXT カーボンフォーク 15*110㎜ |
ヘッドセット | 中華ノンブランド |
ホイール | 中華ノンブランドカーボンリム+シマノXT |
タイヤ | MAXXIS Rambler 700*50c |
ハンドルバー | リッチー BEACON COMP 460㎜ |
ハンドルバーオプション | Ridefarr アルミクリップオン |
ステム | Giant OD2 70㎜(スペーサーで28.6に対応) |
バーテープ | 中華ノンブランド |
変速系 | GRX1*11速、RDのみ12速系 |
カセットスプロケット | ZTTO 11-50 |
クランクセット | シマノSLX 175㎜ |
パワーメーター | X-cadey |
チェンリング | 中華ノンブランド38t |
ドロッパーシートポスト | KS リモート 125㎜(GRX-STIで操作) |
ペダル | シマノXTR ショートスピンドル |
ボトルケージ | ボントレガー バットケージ |
その他 | オベハネグラフレームバッグ |
ちなみにフレームオーダーに掛かった金額は約12万円でした。安すぎてバグかと思うレベル
- 重量: ペダルやアクセサリー類を除いて10.8kg
- コンポ: GRX is 正義
- ドロッパーシートポスト: 必須アイテム
- タイヤ: 現時点ではベストが見つかっていません。太さ50C以上、軽量かつ舗装路もある程度走れるタイヤの登場が待ち望まれます。グラキンX-1の50Cはよ
ジオメトリーに対する反省
特に不満はありません。文句なし。ヘッドアングルを68°とがっつり寝かせたのは大正解でした
舗装路での走り
- 平坦: 正直かなり辛い。理由のひとつは転がりの良くない50Cのタイヤ。もっと軽快に走れる50Cタイヤが欲しい。平坦が辛いもう一つの理由はハンドルバーがワイドでブラケットが高いことによるエアロダイナミクスが悪いことです。空力面はRidefarrのアルミクリップオンを付けることで多少改善しました。ホイールがローハイトプレーンスポーク32Hと空力的に不利なので、ここを替えればかなり変わるかも?
Ridefarrクリップオン
- 登り: 平坦よりはマシかな。でも辛い。ギア比が38-50とウルトラ低いのが救い
- 下り: 舗装の下りは最速です。ドロッパーでサドル下げて上体を伏せると信じられないくらい速い。ドロッパーシートポストを付けてロードレース世界選手権を獲ったモホリッチが正しかったことを実感しています
未舗装路での走り
最高です
- 登り: ホイールベースが長めで安定感があり、MTBと遜色ないです
- 下り: 他のグラベルバイクを圧倒します。かといってMTBで林道を走ったときに感じる退屈もない。程よい緊張感がちょうど良いですね。以前、CXバイクに38Cタイヤを履かせてグラベルを走っていた時と比べると、肉体へのダメージが圧倒的に少ないのも嬉しいポイントです。これは大きな車格と太いタイヤによるものでしょう
ガレてる方が得意
続行距離
距離に対する獲得標高が2%(100kmで2000mアップ)であれば、距離75kmくらいまでは楽しめます。100㎞を超えるともろもろ辛い。やくらいやニセコグラベルのロングルートは相当厳しく感じるはずで、出るなら何かしら対策が必要かな
メンテナンス性
ケーブルが外装なの最高。これまで3回コンポを入れ替えましたけど、作業時間は短くて済みました。「ケーブル外装だしあっという間だ!」と自分に言い聞かせられるので、メンテナンスの腰が上がりやすい(笑)。ただ、ケーブルをダウンチューブ下に通したのは失敗だったかも。洗車が面倒。とはいえダウンチューブの上側(前三角の内側)を通すと、ケーブルが膝やバッグと干渉しやすいので悩ましいところ
耐久性
ハードなグラベルを含めて1000~1500kmほど乗ったと思います。今のところ劣化やクラックは見られません。金属フレームなら1000kmなんて誤差の範囲でしょう。そもそも「一生モノ」みたいな耐久性は、機材スポーツには不要だと個人的には思います
まとめ
自宅から比較的近いエリアでのグラベルやトレイルライドに特化したコンセプトで組み上げ、その目的通り近郊日帰りライドでは無敵。MTBではオーバーキルな、ダブルトラックやちょっとした里道を無理せずラクしすぎずに楽しめるバイクです
課題はエアロダイナミクスの向上。ディープリムのホイールが欲しいです
PROS
- MTBに匹敵するオフロード性能
- 高いメンテナンス性
- リーズナブルな価格
CONS
- 長距離ライドには不向き
- 洗車しにくいケーブルの取り回し
グラベルバイクは今後、エアロダイナミクスに優れたレース系とMTBに寄せたアクション/アドベンチャー系、この二つに分かれつつあります。前者はGrailやLAB71で、後者はGrizlやTopstoneです。スペックやレースリザルトなどでレース系バイクが注目を浴びがちですが、個人的にはMTBに寄せたバイクの方が日本のグラベルシーンには向いてるのかなと思います
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