バイシクルクラブのリニューアル雑感

バイシクルクラブ(バイクラ)が大幅にリニューアルした

自分のバイク仲間が数人出演しています(自分もすみっこに出てる)

近所に住んでる自転車仲間なんて4ページ特集だ。扱い半端ない

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何人も出た理由なんだけど、これは自分がやってるグラベルコミュニティが動き出した時期と、バイシクルクラブがピークスに移籍した時期が重複していることが関係していると思う。僕らは比較的新しいコミュニティで、どこのメディアの色もついていなかったし、バカみたいにいろんなイベントに出てた。そしてバイクラは新体制で新しい取材源を探していた。そういうマッチングがあったのかな。まぁご縁ですね

 

バイシクルクラブのリニューアル

手に取ってすぐ分かるのは、ライフスタイルに寄せたなという印象。ブルータスやCasaっぽいと言うか。サイクリングをコアとした都市型ライフスタイル誌、みたいな自己定義してそうと言うか

記事の本数は減って1本あたりのボリュームは増えた気がする。ちなみに減ったのは機材のインプレとレース記事。レース関係はツールとジロのみ。機材のインプレッション記事は一切無いごめんうそスペシャライズドのエートスが載ってた。でもこれ1本だけ。以前のバイクラにあった、総花的/カタログ的な立ち位置からは距離を置いている

トレーニングに関する内容も無い。5月発売号ではほぼ毎年特集されていた「ヒルクライム特集」が無い。というかトレーニングに関する記事がゼロ。サイクリング誌、、、だよね?

また、「ロードバイク女子」が出てこない。グラビア的なものをコンテンツにすることは新しいバイクラのポリシーにそぐわない、ということだろう。グランツールのポディウムガールは2020年には登場しなくなっている。そういう流れを受けてなのだろうか。別に男性優遇というわけではなく、おっさんホイホイ的女性は出さない、と理解した。今後はニュートラルなポジションで女性ライダーが登場するんじゃないかな

ツール・ド・フランスの表彰式に異変あり!ポディウム・ガールが廃止、その歴史と攻防 | Bicycle Club
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インプレ無い、レース記事無い、トレーニング無い。じゃぁ何をフィーチャーしてるのかって、それは“人”だ。サイクリング界隈に棲息する人、そのスタイルを取り上げている。「へぇ~こういう人が〇〇やってるんだ」という発見があって面白い

細かなところなのだが、特集されてるキャニオンジャパン石山氏の紹介文が「キャニオンジャパン社長」ではなく「現在自転車関係の仕事をしている」とさらっと触れているのみ。このあたり、メーカーの色が出ないよう細やかな配慮をしているなと感じた

“人”にフォーカスした誌面で、ファッション領域で活動する人も多く登場する。ひげで丸メガネ、バイクも鉄とピスト率高め。バイクロアっぽいと言えば伝わるか

写真はドラスティックに変わった。事実を写す報道写真ではなく、人の記憶に残るエモな写真というか。この辺もカタログ的なポジションからの脱却を感じる

誌面には統一感があり、かかわった人の美学が感じられる。地味なところだが紙質も変わった。マットでさらりとした触感で高級感がある。この辺もカタログ的ではなくファッション的かな

これ、コーヒーだと“シングルオリジン”だわ。個性が強くて好き嫌いがはっきり分かれる系。対してリニューアル前は毎回及第点が取れてリーズナブルな“ブレンドコーヒー”

おしゃれなカルチャーサイクリストとそのフォロアーに向けて売る。方向性は明快だ。トレーニング志向ユーザーはサイスポへ行くだろう

ついったの反応もおおむねそうとらえているようだ

バイシクルクラブ公式 (@bicycleclubfunq) on X
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uncle_rinne (@uncle_rinne) on X
新しくなったバイシクルクラブ届きました。Rinneが夢見るのは、あらゆる自転車、それに乗る人にスタイルがあり、皆カッコよく、ジャンルにとらわれず楽しめる成熟したバイシクルカルチャー。偏見のないバイシクルカルチャーの創造のために、どんどん突き...
HaruSpin.ac.jp (@HaruSpin) on X
#バイシクルクラブ のリニューアルが想像以上でした。とてもオシャレに、小俣さんやNBさん大活躍で今後すごく楽しめそうな内容です(怖くない「LOOP」という印象です)。いつもはKindleですが、実物を手に取ろうと思います。スポンサーや読者の...

 

楽屋ノリを感じる

これは若干引っかかった部分なのだが、ある種のホモソーシャルっぽさを感じる。分かる人にしか分からなくて良い、という割り切り。ジャーゴンを使うことで集団の仲間意識を醸成する一方で、集団外部に対する排他性も発生する。この辺は匙加減が難しいところかなと

この手の楽屋ノリ、どうしても内輪でグルグル回していくことになりがちで、Aさん⇒Bさん⇒Cさん⇒またAさん、みたいな感じで息切れしちゃわないかな、という懸念も抱いた

 

問題は広告収入

雑誌の売り上げだけでは経営が難しいことを、先日のラルート廃刊で目の当たりにしたばかりだ

La route
自転車の“本当”を、伝えたい。「良いものは良いダメなものはダメ」というジャーナリズムとして当たり前の視点と、奥深い自転車の世界をとことん追求する自転車愛を持って。真実の記事を、書き手が伝えなければならないと思った記事を提供します。

雑誌制作は広告収入に依存している

新聞や雑誌は本体価格と広告収入のどちらの比率が高いですか?
回答 (3件中の1件目) リクエストありがとうございます。販売収入と広告収入という意味なら、雑誌は広告収入が過半数です。雑誌のジャンルや購買層により、比率は異なってきます。新聞の場合も広告収入が多いと思われます。ただ、新聞は広告収入、販売収...

今月のバイシクルクラブはリニューアル前から掲載が続く広告がメインだったが、新しく広告を出稿したところもある。それは裏表紙のRapha。こういう、誌面と世界観が合った広告がたくさん集まると安泰な気がする

一方でセオサイクルの広告はやばい。紙面がおしゃれになったのにここだけ時間が停止しているので、セオの広告を見た瞬間にめんくらう(笑)。誌面には統一感があるが、広告は自社でコントロールできないのでこの辺は課題だろう

リニューアルを果たしたバイクラが、自動車、腕時計、カメラ、AV機器など、比較的リッチな他業種の広告主を見つけることが出来るか…。記事のクリエイティビティが高いので(つまりは高コストなので)、新しい広告主が得られ無ければ、継続的に紙面の統一感を確保するのが難しくなるだろう

 

まとめ

バイクラはスポーツ領域からライフスタイル領域へ舵切ったよね、という話

今回のリニューアルが成功なのか失敗なのかは後世の判断に任せるとして、こういうチャレンジをリアタイで見れて面白かった

コメント

  1. lameda より:

    リニューアル大成功!スタイル抜群、サイクリング文化の新基準を築く!

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