重量17.9kgのe-MTB Lapierre eZesty

海外モデルですが魅力的なe-MTBを見つけました。Lapierre eZesty AM というモデル。フルサスでなんと重量17.9kg!先日試乗したメリダのフルサスe-mtbが約25kgで乗ってがっかりしたのでとんでもない軽さです。
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Lapierre eZesty AM

日本語記事も見当たらなかったので、さらっと紹介しておきます。

ラピエールって

もちろん知らない人のいないフランスの自転車メーカーLapierre(ラピエール)。ロードでは長年FDJ(2019年のチーム名はグルパマ エフデジ)の機材サポートをしてます。ロードだけでなくMTB、シティ、電動アシストまで幅広く発売している総合自転車会社。ブリジストンかな?
https://www.cycles-lapierre.fr/

どうでも良いんですがブリジストンアンカーはどうなっちゃうんでしょうか?流行りのエアロロードもディスクロードもフルサスMTBもe-bikeもリリースしてません。アンカーの2019年モデルは全て「2018年モデルのカラーチェンジ」です。ニューモデルが無い!2019年モデルの開発予算ゼロですか?いずれ身売りか撤退か…そんなネガティブな思いを抱いてしまいます。

話が逸れました。そんなラピエール、MTBの開発ライダーになんとニコラ・ブイヨが所属しています。20年くらい前のダウンヒルで勝って勝って勝ちまくってたフランス人選手です。今のアーロン・グウィンみたいなポジションの伝説的ライダーです。そんなニコラ・ブイヨも開発に関わったのがeZesty。この時点でもう普通に良さそう。

スペックと特徴

カーボンフレーム、前後サストラベル150mm
コンポーネントはSRAM GX(eZesty 9.0)
PUとバッテリーはダウンチューブに収まり、取り外し可能
PUを外して空になったダウンチューブはストレージとして使用可能(!)
PUとバッテリー込の車体重量17.9kg、除いて15. kg
電動アシストパワーユニット(PU)はFAZUAを採用
PUのアシストモードは3種類(125W、250W、400W)
バッテリーは250wh、1.4kg
FAZUAというパワーユニットは初めて聞きました。シンプルで軽量、どことなくモータードーピングっぽさがあります。既存のe-mtbと比較してパワーは無いが軽量で、ノンアシストmtbと同等の下り性能を追求している、というコンセプトのようです。
また、PUとバッテリーを外せることで、ゴンドラのある常設コースでは通常のMTBとして、上りのある自走トレイルではe-mtbとして、といった使い分けが可能のようです。

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PUは3つに分かれダウンチューブ内に収まる

ジオメトリー

車格はメリダのeONE SIXTY 800と近いかな。ヘッドアングル65.5°はかなり攻めてる感ありますね。エンデューロ、オールマウンテンカテゴリー。ついでに先日作ったe-MTB比較表に入れて比べて見ました。

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Lapierre eZesty AMのジオメトリー

インプレッション

ebike-mtb.comにはインプレッションが掲載されてました。かいつまんで訳すと
「トレイルでのハンドリングは素直で、現代的エンデューロバイクとの差は極小だ」従来のe-mtbでは苦労するようなライン取りも容易に行える。リアサスはフワフワしていてユニット変更かセッティング調整が要る。シートチューブが寝ていて登りはジオメトリー的に厳しい。電動ユニットのアシストは良好だ。もちろん、BOSCHユニットと比べると非力さにがっかりしてしまうと思う。最強のロケットモード(400W)でも、BOSCHのツアーモード(4段階のうち下から2番目)と同程度に感じる。60Nmのトルクは、急勾配をハイギアで上りはじめるようなシチュエーションでは力が足りない。時速25キロでアシストが切れるがその感触は自然だった。バッテリーの持ちに関して…ラフな設定だが、体重70~75kgのライダーが、急な登りと緩やかな林道の登り、ややウェットなシングルトラックなどを走るとして、だいたい獲得標高1000m、距離30kmほどになるだろう。
eZestyは、BOSCHユニットを搭載した従来のe-mtbとノンアシストmtbのちょうど中間にある。対象ユーザその1。登りでほんの少しだけアシストが欲しいが下り性能は犠牲にしたくないノンアシストのトレイルバイクやエンデューロバイクに乗るライダー。対象ユーザその2。既にBOSCH/SHIMANOユニットのe-mtbを持っているが、エコもしくはノーマルモードしか使ってないライダー。彼らはより軽量なバイクを求めているはずだ。

 

いいじゃんいいじゃん、こういうのが欲しいです。もちろん海外モデルなので日本での展開は今のところ期待出来ません。日本の規制に必要な、速度に応じたアシスト率変更が出来なさそう。しかし他メーカーがこのコンセプトに追随してくれれば、いずれ日本のマーケットにもこういったバイクが進出してくるでしょう。今後に期待できます。

それと、今回海外の記事をぱーっと読んだ印象ですが、e-mtbは既存のMTBとは全く異なるジャンルとして捉えられているみたいですね。どちらかというとモーターサイクル寄りのポジション。

そういった意味では、このLapierre eZestyは旧来の乗り方に慣れた既存ライダー向けのプロダクトで、今の乗り方、今のフィールドという枠から逸脱するものではありません。

先日e-mtbを試乗して、正直かなりがっかりしました。しかしもしかすると自分はMTBはこうあるべきだって既成概念に囚われているのかもしません。「全然曲がってくれないけどすげーパワーだしこれはこれであり」って思えなかった。「全く新しい乗り物」だということを受け入れられるか否かで、その人の電動アシストバイクに対する評価が大きく異なってくるような気がしますね。

これから誰も思いつかないような新しく斬新な市場を作っていくのはeZestyではないですね。それはBOSCHなりSHIMANOなりのユニットを搭載した、よりモーターサイクル感のある“パワフルな”電動アシストバイクが担うと思います。メーカーもユーザーもこれから試行錯誤して新しい遊び方を考えていくのかもしません。まぁまだ買いませんが

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PU外してストレージとして活用するの図(笑)

*1:mbr.co.ukの記事では17.9kg、cyclesuperstore.ieでは18.4kg、ラピエールの本国サイトでは18.9kgとなってました。どれが正しいのかな?

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