先日少し乗せてもらったS-WORKS LEVOがあまりに衝撃的だったので、他のe-MTBにも乗ってみたくなった。乗るなら国産e-MTBで評価の高いYAMAHAのYPJ-MT Proだな。
調べたら、ヨドバシカメラで試乗できるようなので行ってきた*1
【スペック】
フレーム YAMAHAアルミ製
フォークF:ROCKSHOX YARI RC boost 160mm
R:ROCKSHOX Super Deluxe Select+ 150mm
タイヤ MAXXIS ミニオン 27.5×2.8
コンポーネント SHIMANO DEORE XT
ブレーキ MAGURA MT Thirty(4ポッド)
パワーユニット YAMAHAオリジナル(定格出力240W)
ドロッパーシートポスト 150mm
重量 24.2kg
価格 660,000円(税込)
S-WORKSより百万円も安い!(もはや金銭感覚がおかしいw)
【デザイン】
外観で目を引くのはフレームが左右に分割されている独特のデザイン。トップチューブはRユニットを挟み、ダウンチューブはバッテリーを挟み込んでいる。剛性確保とマスの集中化を図る優れたデザインだと思う。モーターサイクルの設計のノウハウが込められているのかな。メカメカしくて非常にカッコイイ。
フレームがアルミ製なのは電動ママチャリでの製造ノウハウが蓄積されているからだろう。
カラーはいわゆるYAMAHAブルーというの?らしいカラーリング。
にゅるっとした分割フレームに青×銀のカラーリング…なんだろう、ウルトラマンとかエヴァ初号機とかに通じるものがある。これデザインした人、いいセンスだわ~
【ジオメトリ】
試乗させてもらったのはL。ジオメトリを見る限り海外ブランドのMくらいかな。自分のFM936とほぼ同じくらいか。いわゆるLOW,LONG,SLACKな今風設計。
【インプレ】
またがった感じは普通のフルサスMTB。フルサスe-MTBをはじめて作ったとは思えないくらいごく自然に乗れる。
ハンドリングはナチュラル
ナチュラルなハンドリングで、左右に振り回しても重いバッテリーが内蔵されてるダウンチューブ周りの動きが遅れることがない。e-MTBの設計はいかにここの重さを感じさせにくいデザインにするかが肝だと思う。ジオメトリを見ると、WBはFM936と同じくらいだが、ヤマハの方がRCが長くFCが短い。つまり、BBを中心に見た際に、バッテリーユニットがバイク中心に近い。これがハンドリングの良さに繋がっているのかもしれない。バニーホップも自分でも15㎝くらいは余裕。上手い人なら40㎝くらいは上げられそう。スペシャのLEVOよりかなり重いし、ヘッドも寝てるのでもっとダルいハンドリングを予想していたが、想像以上に良かった。
ただし、絶対的な軽さは無いので、アグレッシブにバイクを振り回そうとすると重さを感じる。というか試乗の翌日背中がバキバキに痛くなった。重くは感じないとはいえ、やはり数字はごまかせない。試乗車はFサスがふわっふわだったが、自分の体重でセットすればもっと良い印象になりそう。
パワフルで好レスポンスなパワーユニット(PU)
モードは、+ECO、ECO、NORMAL、HIGH、EXT、AUTO。どのモードも入力に対する反応が良い。
LEVOはこう
俺「漕ぐよ~(クルクル)」
PU『はいよ~(ウィィィイイイン)』
YAMAHAはこうw
俺「漕g…PU『おらぁ!(ウイイイ~~~!!!!)』」
ペダルにちょっと入力したら即アシストが入り出す。
そして、HIGH以上はマジすごい。よく、アシストのことを背中を押されるような、と形容されるけど、YAMAHAのこれはケツを蹴っ飛ばされるような強力なアシスト。ガツーン!と加速する。さすがモーターサイクルメーカー。この辺の味付けはかなり刺激的。これで緩い登りとか攻めたらアドレナリンがドバーっと出そう。ただ、そんなアシストが必要かというとちょっと疑問。パワーが出すぎてスリップしないのだろうか?うーん、このへんは山で乗ってみないとちょっと分かんないな。
ウィリーはHIGHモード以上なら余裕。前が上がったままスピードがどんどん出て怖い(下手なので脚を止められないw)
十分すぎるバッテリー容量
36V-13.1Ahで、モードによって違うが、続行距離は79~197㎞。正直こんなに要らないっすw
1泊2日の長野トレイルツアーだって、2日で40㎞も走らなかった。容量は半分くらいあれば十分。どうせこの価格帯のバイクはみんな室内保管でしょ?充電に手間なんて全く掛からない。もちろんバッテリー容量や航続距離はライバルとの競争において重要な意味を持つのでいたしかたない部分はあるだろうが…。オプションで「軽量低容量バッテリー」ってのがあると良いかも。
その他
ドロッパーシートポストは150mmが付いていた。シートチューブが短めで、自分の身長(177㎝)でもばっちり。短足日本人にはうれしいw
スペックインされているタイヤが27.5+規格なのは結構気になる。海外のe-MTBは29erが主流で、なんなら29+もちょいちょいある。別に27.5+でも全く問題無いと思うのだけど、こういうのは出来ればトレンドのど真ん中が良いんだよ。見る限りフレームのタイヤクリアランス的には29er化はちょっと厳しそうだ。。。29×2.2ならなんとかというところ?しかもヨドバシカメラの店員さん曰く「29er化した場合は保証対象外です」うーん、自己責任ですか。。。
フォークはロックショックのミドルグレード。ホイールはアルミのエンデューロ用かな?結構幅が広いタイプ。耐久性がある結構重めのものだと思う。ここはもし買ったら交換したくなっちゃうだろうな~。
試乗車のセッティングだと思うのだが、標準のマグラの4ポッドブレーキが効きが甘かった。ぶっちゃけXTの4ポッドで良かったのでは?シマノの油圧ディスクならサービス面も安心だ。
マスの集中化を図ったため、フレーム前三角はかなりギュッとしている。そのため、ボトルケージの取り付けは不可。自転車メーカーには出来ないかなり思い切ったデザイン。ここは結構評価が分かれそう。
フラットなところで試乗したから気にならなかったけど、押しや担ぎがあるシーンでは重さがネックになるだろう。海外のe-MTBにあるというウォークモード(ボタンを押すと時速数キロで進んでくれる)があると相当良さそうなんだが。
まとめるとこんな感じかな
【まとめ】
【PROS】
マスの集中化による優れたハンドリング
パワフルで追随性の良い電動アシストユニット
コストパフォーマンスが良いパッケージ
【CONS】
将来性が気になる27.5+規格
アップグレードの余地があるFフォークとホイール
絶対的な重量はかなりある
これなら違和感なくトレイルを走れそう。何よりプライシングがS-WORKSより現実的。というか、この走りでこの価格は破格だわ。安すぎるまである。パワーユニットが国内シェアNO.1であることから、アフターサービスに安心感があるのも良い。総合評価はS-WORKS LEVO LEVOを100とするとYPJ-MT Proは75くらいだろうか。LEVOに乗っちゃうとかなり採点がシビアになっちゃう。ただ、パワーユニットは断トツYAMAHAの方が良いと思うので、人によってはYAMAHAの方が好みかもしれない。
自分なら買うかな~。ホイールの規格がネックだなぁ。。。
【閑話】
ヨドバシカメラの試乗コース、屋内ですごい!新宿駅至近にこんな試乗コースがあるとは…
*1:ヨドバシカメラはヤマハe-bikeの公式代理店に認定されており、全国の大型店で試乗が出来るようになっている。
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