シクロクロス昇格に必要なパワーはどれくらいか?

シクロクロス

今年のシクロクロスシーズンは終わり(自分的には)。

シーズンの振り返りと来シーズンへ向けてのプランをざっくりと考えてみたい。特にパワーは数値化できるし、目標数値があった方が良いかも。

今期の振り返り

まず戦績。コロナの影響もあり、地元開催の湘南クロスがほぼ全滅し、今年のレースは3戦にとどまった。

小貝川 18/34(トップ+01:34、全体の53%)

幕張 8/30(トップ+01:37、全体の27%)

稲城 7/29(トップ+1:01、全体の24%)

CM2の真ん中よりももう少し上、というのがおおむね自分のポジションのようだ。あと、たぶん泥レースが相当苦手。

さて、来期に向けてはとりあえず練習あるのみなわけだが、何か指標があっても良いかもしれない。例えばパワーとか。

マスターズシクロクロッサーのパワーは?

2022/2/17時点のAJOCCランキングを見ると、マスターズ各カテゴリの所属人数はこんな感じ。

クラス 人数 構成比
CM1 232人 25%
CM2 285人 30%
CM3 410人 45%
合計 927人 100%

シーズン後に降格がある。CM1は150位まで、CM2は230位までが残留ラインなので、人数が下記のように調整される。

クラス 人数 構成比
CM1 150人 16%
CM2 312人 34%
CM3 465人 50%
合計 927人 100%

シーズン中はレースごとに昇格が発生するので、シーズンが進むに従い構成比は変化するが、おおむねCM1が全体の2割、CM2が全体の3割、残り5割がCM3だろう。

さて、この構成比から各カテゴリの脚力を推定出来ないかだろうか。シクロクロスのリザルトに影響を与える要素は多くあるが、なんだかんだPWRは重要なファクター。力 is パワー。スキル無視、物理で殴るのが一番

参考になるのは、Zwift参加者のパワーウェイトレシオ分布だろうか?

twelve.rgr.jp

このサイトの人数分布、4.6倍と4.0倍にそれぞれ線を引くとこんな構成比になる。

PWR 構成比
4.6倍以上 15.0%
4.0~4.6倍 31.5%
4倍以下 53.5%

このへんになんとなーくCM1~CM3が収まりそうだ。一番上のクラスが少ないし、Zwiftと比べるとPWR以外の要素が多いので、実際はもう少し幅があるだろう。また、マスターズ選手平均年齢を考えると、これよりもう少し下かな?

こんな感じかな?(根拠なし)

PWR 構成比 クラス
4.2倍以上 16~25% CM1
3.3~4.6 25~30% CM2
3.5倍以下 44~59% CM3

実際はたくさんレースに出場してポイントを稼ぐと残留出来るので、CM1とCM2のアクチュアルなPWR分布はもう少し下振れすると思うが、ざっとこれくらいなんじゃないだろうか?(出来れば有識者のご意見を伺いたい)。また当然スキルなどが影響するので下位カテゴリのライダーが上位カテのライダーよりPWRが上、というのは発生する。そのためカテゴリーのPWRはオーバーラップしている。

マスターズシクロクロッサーの想定昇格PWR

スキルなどの他の要素が平均的なライダーがいたとして、CM3⇒CM2昇格はPWR3.5倍前後、CM2⇒CM1昇格は4.5倍前後?富士ヒルブロンズちょっと上とシルバーちょっと上ってところか。CM2に上がるパワーはアマチュアで練習していればそこまで難しくはないが、CM1昇格に要するパワーはかなり上だ。

シクロクロッサーに求められるPWR以外の要素

シクロクロス、当然他の要素がある。特にスキルや脚質は相当大きなウェイトを占めるだろう。

・CX特有の強いインターバル耐性

・コーナリング/ペダリングスキル

・30分間パワーを地面に伝える体幹の強さ

・スプリントやダッシュに必要な筋力

・レース勘、戦術、経験値

・フロントローに並ぶためのポイント戦略

こういったファクター抜きにシクロクロスは語れない。PWRはあくまで指標のひとつだ。とはいえ無視も出来ないし、ついでにPWRは唯一数値化出来る要素。

自分の場合、現時点のPWRは4.0倍弱、このPWRで昇格を狙うのは他が相当上じゃないと無理かな。

来期の目標

まずは現状のPWR+0.5倍(4.5倍)を目指したい。併せて、昇格するチャンスを増やすために、他の要素も並行して鍛えておかないといけないだろう。特にインターバル耐性は絶対に必要だ。

全て一朝一夕に見につくものではないが、プランを練って来シーズンを迎えたい。

【追記】

この記事を書いて三日後(!)に本エントリーに現役C1ライダーより言及いただいた

cyclinglog.hatenablog.com

たった三日でこの内容。C1ライダーが何を考えて走っているかが伺えるエントリー。自分はPWRについて考えていたが、さらに膨らませてスキルを加味した総合的なスコアを提案されている。必読

そして、Twitterでは同じCM2ライダーから大御所まで、かなり多くの方からコメントをいただいた。これだけ反応があると本エントリーを上げた甲斐があった。。。

かなりパワーに幅がある。「いやいやPWRは低くても昇格できますよ」とコメントいただいた方も多そうだが、それでもエントリーを書いた時点では想定していなかったレンジだ。想像以上にパワー以外の構成要素が重要と言えそうだ。

4倍あればCM1行ける人もいるので、今はかなり他の部分が劣ってると考えて良さそう。

来シーズンに向けて作戦を練らなくては…

エントリー内容とは直接関係ないけど、このコメントは腹落ちした感。

そうそう、ハックしたい。昇格を目指す行為を通じて、シクロクロス競技の秘密を垣間見たい、なんなら数値化して詳らかにしたい、と思ってる。ときとして低パワーのライダーがジャイアントキリングを巻き起こすシクロクロスの神秘性、これをヴェールに包まれたままにしたいのか、それとも白日の下に晒したいのか、その人のスタンスがコメントにもうっすらと出ていたなと思う。

【追記】
無事昇格できたので昇格のためにやったことをまとめてみた
ちなみに昇格時のPWRは4.2W/kgでした

シクロクロスでCM1昇格のためにやったこと
先日の茨城CX#1涸沼で勝ち、めでたくCM1(MM1)に昇格できた! (もっと言うと、単に昇格しただけでなく、明らかに昨年の自分と比べて速くなった) 昇格のために、オフシーズン中、色々と新しいことに取り組んだので、どんなことをしたのか整理し...

コメント

  1. yoshi より:

    初めまして。Twitterもフォローさせて頂きました。
    シクロクロスの速さの謎が自分でもわからない事が多く、その魅力にどっぷりハマっています。
    興味深いこの記事に行き着いて読まさせて頂き面白かったです!
    私はかなり特殊なケースだなと思ってコメントさせて頂きました。
    私は現在CM1で参戦しています。スタイルはクライマーで体重53-54kgの軽量級で今のFTP235w程度なので4.4倍届くかどうかというスペックです。今までFTPがこれ以上向上したことはありません。
    成績は安定してシングルなのですが、周りの選手は圧倒的に絶対パワーが高いにも関わらず戦えてるのが謎。
    スキル面は自転車歴は13年ですがヒルクライムオンリーでした。絶対パワーの低いクライマーがシクロクロスで戦えるのか?でも新たな強さが手に入るかもと一念発起し、昨年よりシクロクロス界に飛び込みちょうど2年目ですので荒削りなスキルだと思うのです。
    でも、つい先日の前橋シクロクロスのCM1で逃げ切りで勝てたんです。(すみません自慢とかでありません^^;)
    前橋は180度ターンがとにかく多いテクニカルレイアウトで立ち上がりばかりのコースが軽量級に優位だったのか?自分でもシクロクロスのスピードの謎は尽きません。
    パワーだけでもない色々な要素が絡み合った面白いスポーツだなとつくづく思うと共に謎を解明していきたいものです(笑)
    長文失礼しました!
    これからもブログ楽しく読まさせて頂きます。頑張ってください😊

    • kisuke より:

      コメントありがとうございます
      CX2年目CM1優勝!めちゃくちゃすごいです!確かに4.4倍は非常に高いPWRだとは思いますが、それより大きなPWRのライダーも多いと思います。そしてなんといっても2年目だということも驚きです
      謎は深まるばかりですが、機会があれば後ろからその走りを見せてもらいたいところです

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