貸与してもらったYoeleo R11 SL Disc、300㎞くらい乗ったので軽くインプレッション。1000㎞くらい乗らないと、とは思うがこれから盛夏で距離乗らなさそうなので軽く。
【お断り】
宣伝マンになったとは言え、このインプレッションの内容はメーカーの事前確認を入れていない。個人ブログだし、提灯記事みたいのは書きたくないなという思いがある。内容はいつもの、自腹インプレと変わらない。
…とはいえ自分も人間なので「あーここは悩ましいな、星3つか4つか微妙だな、気持ちは星3.5くらいなんだけど…」ってなったときに、「うーん、借りもんだし遠慮して4つにしておこうか」みたいな気持ちが発生することは事実で、結構悩みながら書いた。
スポンサーのいるメディアって大変だなぁ~。個人ブログの強みって自腹インプレにあるんだな~。。。と思った次第。
フィッティング
サイズは52、一体型ハンドルバーはステム長110mm、幅400mm
ライダーの身長は177㎝、サドル高695mm
ジオメトリーはこんな感じ
ちゃんと事前に計り、今まで乗ってたA9と同じポジションを狙った。計算上はほぼ同じはずだけど、いくぶんハンドルが低く、遠く感じる。かなりレーシーなポジション。
Size Dimension |
L Reach |
M Stack |
A Top Tube Length |
B Head Tube Length |
C Seat Tube Angle |
D Head Tube Angle |
E BB Drop |
F Chain Stay |
G WB |
H F Center |
I Fork Length |
J Fork Rake |
K Seat Tube Length |
49CM |
373 |
514 |
520 |
110 |
74° |
72.5° |
69 |
410 |
965 |
565 |
370 |
45 |
455 |
52CM |
384 |
523.5 |
535 |
120 |
74° |
72.5° |
69 |
410 |
975 |
579.5 |
370 |
45 |
475 |
54cm |
385 |
541 |
545 |
136 |
73.5° |
73° |
69 |
410 |
975 |
580.2 |
370 |
45 |
495 |
56CM |
394.5 |
578 |
560 |
155 |
73.5° |
73° |
69 |
410 |
990 |
594.9 |
370 |
45 |
515 |
59CM |
398 |
579 |
575 |
175 |
73° |
73.5° |
69 |
410 |
995 |
600 |
370 |
45 |
535 |
アッセンブリ
パーツはほとんど手持ちでカバー
箇所 |
名称 |
コスト |
フレーム |
Yoeleo R11 |
借り物 |
ハンドルバー |
Yoeleo R11付属 |
借り物 |
ホイール |
Yoeleo G35 |
借り物 |
グループセット |
Shimano R8050アルテグラ |
手持ち |
タイヤ |
Panaracer AGILEST TLR 28C |
手持ち |
ペダル |
Shimano R6800アルテグラ |
手持ち |
チェーン |
YBN 11S |
手持ち |
サドル |
Sella Itaria SLRチタン |
手持ち |
アウターワイヤ |
Shimano |
手持ち |
インナーワイヤ |
Nissen |
手持ち |
バーテープ |
中華 |
手持ち |
ブレーキローター |
Shimano |
手持ち |
作業工賃 |
サイクルベースあさひ |
\12,300 |
合計 |
|
\12,300 |
写真
完成した状態はこんな感じ。タイヤクリアランスとか、パワーメーターが取り付けられるか気になってる人も多いと思うので数枚(他に見たいところがあればコメントください)
重量
YoeleoグラベルホイールにアジリストTLR28Cを履かせた状態で7.34kg
手持ちのCarbonalチューブラーホイールを履かせて7.16kg(いずれもペダル無)
グラベルホイールを履いた状態(ペダル無7.34kgの方)で、山岳、ロング、平坦と一通り走った。具体的にはヤビツ峠、富士3ピークスなどなど。先日走った富士3ピークスは身体的にも機材的にもかなり限界を試せたと思う。
比較対象は直近まで乗っていたエアロロードのICAN A9。
登り
★★★★★
硬くて反応が良い!パリパリとした硬質な乗り味。ICAN A9はダウンチューブ~BB周り~チェーンステイが超がっしりしており、構造で剛性を確保していたような印象だったが、このR11 SLは素材(東レT1000を使っている)によって剛性を出してるようだ。ヤビツだと蓑毛の坂をキビキビ登っていくので登りが速くなった?と感じるほど。この硬さ、所有したバイクの中では過去一番かもしれない。
また、スローピングフレームのためか低重心で、ダンシングでバイクを左右に振るのが楽しい。ライドでのダンシングの比率が確実に上がった。
ただし、未だヤビツ峠のPRは更新できず…機材替えたくらいでタイム更新されるほど甘くはないか。ぐぬぬ。ヤビツはそのうち軽量チューブラーホイールを履いてリベンジ予定。
平坦
★★★★
反応が良く、速度を乗せていくフェーズは俊敏。40㎞前後までスムーズに伸びる。
ただし、40kmオーバーを維持するのはエアロロードと比較すると楽ではない。やはりフレームが非エアロなのが影響している。平坦をたんたんとソロで走るというよりも、反応の良さを活かし加減速が繰り返されるレースでこそ輝くか、という印象。
下り
★★★★
フォーク剛性が高く安心して攻められる。ポジションは思いのほかアグレッシブで、積極的な体重移動が必要。
エアロダイナミクスについてだが、あざみラインの直登箇所、下りは超高速になるのだが、だいたい78㎞/hで伸びが止まった(良い子は真似しないでね)。エアロフレームならもう数キロ/h伸びそうな気がする。
ハンドリング
★★★
ロードバイク最近乗ってないので忘れてる…ロードバイクのハンドリングってこんな感じだったっけ?まぁ普通。下りのところでも書いたが、ポジションがかなり前めの低め。ヘッドチューブが短く、スペーサーも20mm分しかないので、ハンドル位置が低く、リラックスすると前荷重気味になってしまう。体幹でしっかり上半身を固め、常にある程度の出力で漕いで、ペダル/ハンドル/サドルに体重を分散させないとハンドリングがふらつきやすい。バイクとライダーの間に常に一定の緊張感があると言える。
スプリント
★★★★
これかなり良い。エアロで進むのでははなくて、フレームが出力をしっかり受け止めてロスなく前に進んでいく。このフレームは東レT1000を使ってるというので、硬くて反応が良いのは事前に予想していたが、相当良く感じる。
スプリントというか、いわゆるアタックが掛るシーンで効きそう。
快適性
★★
フレームも、ハンドルも、フォークも硬い。快適性は二の次ィ!でデザインされている。ポジションしかりフレーム剛性しかりだが、これはピュアレーシングバイクだ。
正直ロングライドには不向き。富士3ピークスの時に使った際は、後半身体がバキバキになってかなりきつかった(笑)。手持ちのバイクを車に例えると…ICAN A9が直線番長なGTカー。キャニオン インフライトはターマックからグラベルまでこなすSUV。んで、このR11 SLはターンパイクが似合う2シータースポーツ。
快適性はサドル、ホイール、タイヤ(32CまでOK)で調整したいところだが、ロングライド用バイクとして組むのは目的外かなという気がする。
総合性能
★★★★
良いですね良いですね。軽くて硬くて、登りのヒラヒラ感が特に良い。出力を上げた際の脚当たりもしっかりしていて、キャラクターがはっきりしたバイクだ。
ポジションもかなり戦闘的だし、このバイクが光るのは山岳がある公道のロードレースだろう。どちらかと言えばパンチャーやヒルクライマー向けかも。クリテリウムなら宮ケ瀬みたいなコースプロフィールが良い。
逃げ(ルーラー)やスプリンターはもう少しエアロなバイクが良さそう。平坦基調が多いサーキットエンデューロもエアロフレームの出番かな。YoeleoからはエアロロードのR12が出ているのでこの辺は好みで選べば良い。いやR12は乗ったこと無いけどw
Yoeleo R11 SL Disc、レーシングバイクとしてありだと思う。レースの比率が高いとか、比較的短距離を高強度で走りたい人に向いていると思う。
ここまで読んで、これは自分には合うかな、買ってみようかなと思ったそこのあなた!
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【閑話】変速方式について
R8050系アルテグラ(紐変速・油圧ブレーキ)で組んだのだが、変速フィールは重い。神ケーブルことニッセンのケーブルを使ったのだがそれでも重さを感じる。リヤはそうでもないが、レバーを大きく動かすフロントがダメ…。
このバイクはShimano Di2もしくはSRAM AXSで組むのが正しい姿。
となると、快適に乗れるミニマルな構成はこう。
箇所 |
ブランド |
コスト |
フレームセット |
Yoeleo R11 SL |
約17万5千円 |
コンポーネント |
Shimano 105 Di2 |
約20万円 |
ホイール |
Carbonal |
約8万円 |
その他 |
|
約3万円 |
合計 |
|
約48万5千円 |
※価格は2022年7月時点
高すぎィ!
理由はコストの50%近くを占めるコンポ!Di2は完全内装フレームの人権ではあるが…あるが…
Yoeleoに限った話ではないが、いわゆる中華カーボンバイクというのは、大人のプラモデル感覚で手を出せる、ある程度掛るにしてもギリギリ笑って許せる金額で収まるものだった。中国系メーカーも最新のフレーム群はほぼ完全内装にシフトしている。そうなると組むのに50万円を用意しないとダメ。個人的には「笑って許せる額」というのは高くても25万くらいかな~という感覚があるので、ざっと2倍だ。以前組んだICAN A9もMTBのCarbonda FM936も、トータル30万掛からなかった。
もちろん、大手メーカーで7kg前半のレーシングバイクを買おうと思ったらもはや100万円クラス、という状態なので、冷静に考えれば50万アンダーのレーシングバイクはコスパ良い。でも、でもなぁ…
個人的にはリムブレーキが主流の時代に界隈で名を上げたSENSAHのような、比較的安価な立ち位置の電動コンポーネントが望まれていると思う。例えば電動コンポーネントが10万円くらいでリリースされれば、バイクトータル40万くらいで組めるので、こうなるとプラモデル感が若干ながらも復活する。
一番リーズナブルな無線コンポが105Di2の20万円というのは、中国系の、特に内装をメインにリリースしているメーカーにとっては向かい風なのかなぁという印象。
Wheeltopさん早く無線ロードコンポ出して!
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