北海道で開催されたグラベルイベント、十勝 “アンパント”グラベルに参加しました。ルートのすばらしさは最高で、過去走ったルートの中でもでも指折りの良さでした!どこまでも広がる空、果てしなく続くシルキーなグラベル、夢のような1日でした
百聞は一見に如かず、まずはこれを見て欲しい
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日本とは思えない。ちなみに1枚目の真ん中に写ってるのが私
あとこのへんもやばい
「十勝グラベルってどんなイベント?」
→こんな道が次から次へと現れるイベント。 pic.twitter.com/gipePdgGUZ
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) September 28, 2025
あとこれなんかも。ほんとやばくないですか?
音更町の十勝牧場白樺並木と展望台。とても走りやすいグラベル。#北海道 #音更 #今日のグラベル pic.twitter.com/jfTHUIcluI
— Koh nabe (@nabe_) September 21, 2020
本州のグラベルがせせこましく感じてしまうスケール感です
十勝グラベルとは
日時/Date and time |
2025年9月28日(日) |
概要/Overview |
世界中で人気のグラベルロードバイクは日本でも年々人気を高めています。 |
目的/Purpose |
十勝エリアの魅力ある地域資源を活用したサイクルツーリズム促進の一環として、本イベントを実施します。 |
主催/Organizer |
十勝サイクルウィーク実行委員会(帯広市、とかち観光誘致空港利用推進協議会、(一社)帯広観光コンベンション協会) |
メインスポンサー/Main Sponsor |
パナレーサー株式会社 |
開催地/Location |
コース/音更町、芽室町 |
公式WEBサイト/Offical Website |
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コース概要/Course Details |
ミドルコース ショートコース |
参加資格/Eligibility |
①現地に自転車をご用意できる方(持参、レンタル手配など) |
参加費用/募集定員/Entry Fees & Capacity |
ミドルコース/9,500円(税込)定員100名 タイヤ付きプラン有 +10,000円(グラベルキング2本付き、送料込み) ※キャンセルポリシー |
エントリー期間/Entry Period |
エントリー開始 2025年8月1日(金)11:00~ エントリー終了 2025年9月10日(水)23:59迄 ※各コースごとに定員になり次第順次締め切りとなります。 |
申込方法/How to Apply |
十勝グラベル公式ウェブサイト上、エントリーフォームより |
問い合わせ/Contact |
十勝サイクルウィーク実行委員会(帯広市、とかち観光誘致空港利用推進協議会、(一社)帯広観光コンベンション協会) |
天候
晴れ
最低気温10℃、最高気温24℃くらい
道内の方は「今日は暑い」と言ってましたが、関東人的にはちょっと汗ばむくらいでちょうどよかったです。最低気温の予報が8℃となってて戦々恐々としてましたが、幸いそこまで気温は下がらずほっとしました
メンバーとバイク
- Cannondale Topstone Carbon
- Chapter2 KAHA
- Speciarized CRUX
- 中華チタンモンスターグラベル
- All-City モデル名不明
この5名のうち2名が、2週間前に開催されたニセコグラベルに参加しているというね。グラベルバカすぎる!
あとそれとは別で、当日のライドではLAB71とCanyon Grzlの方と御一緒してました
自分のバイクはいつもの中華チタンモンスターグラベル。機材については別のエントリーにまとめる予定です
みんなのバイク
イベント内容
僕らはミドル60㎞に参加です。ミドルということはおそらくロングも構想にあるんでしょう、あるか分かりませんが設定されるであろう来年以降が楽しみです。ミドルの参加者は約80人。ニセコ2週間後によくそれだけ集まったな
以下時系列
8時に会場の道の駅おとふけ
このタイプ最近多いよね
会場にはパナレーサーのゲートが立って雰囲気が上がる。動画で手を振ってくれてるのはゲスト参加の神楽坂つむりさん
8時45分スタート。いくつかのグループに分けるとアナウンスがあったので、先頭に陣取る…というか開会式で立った場所が先頭グループの場所だったのでそのままスタート
しばらく北上して現れた最初のグラベルがこれ!幅が広く、シルキーで、どこまでも続く。この瞬間走っていた全員がこのイベントの成功を確信しましたね。ニヤニヤが止まらない
13㎞地点、第一エイド十勝牧場展望台着。本州ではめったに見かけない”ばんえいばん馬”の牧場というのが面白い。本州ではなかなか味わえない空の抜けと美しい風景にしばし呆然。。。
第一エイドの十勝牧場展望台
僕らが馬を見つめているとき、馬も僕らを見つめているのだ
エイドではなんとオリジナルロゴの入ったアンパンが!そりゃ十勝の名物は小豆ですから、エイド飯がアンパンになるのは必定。アンコぎっしり!美味!
バス停を模したイベントカンバンはちゃんとタイヤを使ってるし、次回予告の野沢温泉自転車祭りも記載がある。芸が細かい
“アンパン”と”グラベル”なんですね
素晴らしい道が続く
第一エイド以降もひたすら良い道が続く。第一エイドまではほぼフラットだったのだが、中盤以降はアップダウンが増えてきた。
道の両サイドでは見たことのない巨大な農機が走り回り、「あれここは日本だっけ?」と脳がバグります
ばかみたいにデカい重機
右から左への傾斜地になってるの分かりますかね
ちなみに先頭に二人ペーサーがいて、追い抜き禁止。事前配布された資料ではフリーライドと記載あったのだが、おそらく直前で変更されたのかもしれない。ペースは、平坦抑えめだが登りは頑張る安全性重視のスタイル。急坂は7倍は出してたはずで、割と普通に死にました。第一グループは25名くらいでスタートし、半分くらいに人数減らしてゴールしたのでなかなかの強度です
30㎞地点の第二エイドは北明やまざと幼稚園
エイド飯は小豆だいふく、コーンパン、源氏パイその他
エイド飯の配布
お腹減ってたのでペロリです
園中のお手洗いをお借りしたのですが、使い込まれた木の床がすごく良い味わい。園長が好きで飼ってるというポニーやヤギでみんな癒されてたw
年季が入った建物
中も手入れされながら長く使われてる雰囲気
めっちゃ人懐っこいポニー
ヤギもいた
第二エイドを出た後に僕らを迎えたのがこれ、名付けて絶望坂。登坂時間2分はかからなかったのと思うのだけど、目の前が白くなり口の中に血の味が広がる。
絶望坂で打ちのめさせる面々
49㎞地点、第三エイドは山のばあちゃんち。もうめちゃくちゃ景色が最高でした。ここをエイドにした理由がよくわかる。スマホのパノラマ撮影機能をこれほど使った日はない
丘の上にたたずむ小さな家がエイド
どーん!
エイド飯はふかしたジャガイモにたっぷりのバターを載せたもの。それに柳月のお菓子、三方六の小割。きなこねじり。アイスクリーム。
ジャガイモバターがうますぎ!!!ジャガイモはもちろん、バターは白みが強くて生クリームっぽい柔らかいやつ。これが疲れた体にしみる。さらにトッピング!アンコといかの塩辛が選べたのでアンコを試したのだが、口の中で暴れる炭水化物と脂の暴力!あやうく至りかけました。調理したアイテムを提供するの、管理が大変なので、これは主催的には「ぜひ食ってくれ」と自信の一品だったんだろうな。いやもうここで満足度メーターは完全に振り切りました
できることなら5個くらいお代わりしたかった
アイスクリーム。エイド飯が十勝の豊かさを物語る
12時15分ごろ、道の駅おとふけにゴール!めでたし!
…とはならなかったのです。。。
十勝グラベル2周目
道の駅おとふけで、いただいた1,000円の食事券を使って買ったアイスコーヒーとソフトクリームでみんなチルアウトしていたとき、ひとりが突然こう言いました
アイスコーヒーとソフトクリームでチル
『もう1周しませんか?』
犯人はこの人です
『だってまだ時間あるじゃないですか』『それに1周目は走るのがメインで写真があまり撮れてないですし』『通しはちょっとあれなのでショートカットすればちょうど良くないですか?』
…グループ内で絶句めいた沈黙が一瞬あったような気がしますがきっと気のせい。2周目にみんなでチャレンジ
2周目はコース独り占め!設定されたコースから外れて寄り道したりしながら、30㎞ほどのんびりと
独り占め最高すぎる。みんな待ってくれるから写真撮り放題
独り占め最高。誰もいないので納得いくまで映えを追求
設定コース外もグラベルだらけ
この日は宿との往復とかも含め、結局100km以上走りました。路面も良く獲得標高も少なめ、見通しの悪いところや気を遣うコーナーもほとんどなかったためか、疲労感はそれほど感じなかったです
イデアルな北海道
道中話してたんですが、十勝の風景って、本州の人間がイメージするイデアルな北海道そのものなんです。「北の国から」「じゃじゃ馬グルーミンup」「銀の匙」で見た、どこまでも広く、空は高く、酪農と農業を支える肥沃な大地。札幌より富良野より知床より、十勝に北海道ぽさを感じました
十勝グラベルを走りながら、なんというかドラマの中に入り込んだような錯覚すら覚えました。
なお「北の国から」は富良野、「じゃじゃ馬グルーミンup」は新ひだか町ですが、「銀の匙」はまさに帯広が舞台です
十勝でグラベルレースはできるか
こんだけ良い道がいっぱいあるなら、レースしたらさぞ楽しいだろうなと思います。日本でグラベルレースを開催する機運は高まっており、今年はやくらいでテストイベントが行われました
十勝のポテンシャルは非常に高く、レースへのニーズはインバウンド含めて相当あると思います。一方で十勝グラベルを実際に走ってみて、課題が多いという印象も受けました。
まず本州のグラベルと比べて人の往来が多いです。特に農作業でグラベルを使う人がそれなりにいました。肥沃な十勝平野で作られる農作物は多様です。9月末のこの時期も、大豆、小豆、トウモロコシ、大根、山芋、牧草などを育てていました。常に何かしらの農作業があり、つまり閑農期がありません。道を誰も通らないのは真冬だけでしょう。農業は生き物相手なので人間の都合でスケジュールできない。農家にとってみれば1日だけとはいえ道路が規制されるのは受け入れにくいかも
道が碁盤の目状に整備されているのも難しいポイントだと感じました。直交する道が多く、距離に比例して交差点が増えます。信号はほとんど無いけど、一時停止標識は多い。もしレースとなれば多くの交差点に歩哨が必要で、規制は相当なマンパワーが必要だと感じます
そういう意味ではやくらいのような林道の方がレースのオーガナイズがしやすいですね。山中の道は基本的にほとんど人が通らないですし、交差点も少ないです
当然そんなことは主催側も理解していると思います。そういうところ込みで今回のイベントを開催したのでしょう。まずは地元住民の理解を得ること、それが大事なのかなと。参加者である僕らのふるまいが来年以降の開催に影響しそう
まとめ
十勝グラベル、今年イチの良イベントでした
イデアルな風景×シルキーなグラベル×北海道グルメ=∞
来年以降もやる気みたいですので、ぜひとも来年も参加したいです。そしていつかUCIレースを開催してほしい。
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