先日、代々木で開催された「アウトドアデイジャパン」に行ってきました。中でサイクルベースあさひが実施していた電動アシストバイクの試乗をするためです。
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今回は、電動アシストのMTBを中心に試乗しました。YAMAHA「YPJ-XC」、Panasonic「XM-D2」、MERIDA「eone SIXTY 800」の3つです。
YAMAHA YPJ-XC
Panasonic XM-D2
MERIDA eone SIXTY 800
3台のスペック
パワーユニットは3者3様。実際試乗でもこのキャラクターの違いを明確に感じることができました。今回ボッシュとバーファンが試乗できなかったけど、日本でシェアを取っていくだろうこの3つを試乗できたのはベンチマーク的な意味でも大きいです。
ジオメトリーを見ると、YAMAHAがもっとも車格がコンパクト、MERIDAがもっとも大きいです。タイヤがPanasonicとMERIDAは27.5+規格のため、さらに大きく感じます。MERIDAはフォワードジオメトリーとも呼ばれる最近の流行りのもの。長めのフロントセンター、寝たヘッドアングル、短めのステムでライドフィールはコンパクト。
乗る前は、最新規格てんこ盛りのメリダが最も印象が良いだろうなと思ってました(フラグ1)
ルックス評価
ルックスはMERIDA>Panasonic>YAMAHAです。MERIDAはさずがMTB専業メーカー、圧倒的にカッコイイ。往年のカワサキモトクロッサーを彷彿とさせるグリーンの車体、バッテリーまで含めたダウンチューブのデザイン、控えめに言って最高です。Panasonicもそこまで悪くない印象でした。でもなんかこう、地味かな。YAMAHAはダサいの一言。10年前のデザインです。別に試乗しなくても良いかなって思ってました(フラグ2)
んで、実際乗ってみて。
コーナリング評価
YAMAHA>Panasonic>MERIDA
悪いことから書きます。MERIDA全然曲がりません。コーナリングでどんどん外に膨らむ。曲がらなすぎて正直怖い。トレイルで崖下に転落するイメージしか持てませんでした。えーと正直これは欠陥商品だと思う。車だとFF車は直進安定性が高くてアンダーステア傾向、とよく言われますけど、そんな感じ。フロント長めでフロントヘビー、車体を振り回しても全然追随してくれない。
一方、YAMAHAはコンパクトなジオメトリーで、ヘッドアングルも立っているためにコーナリングが1番クイック。Panasonicはその中間。曲がらないけど、メリダほどでもないかな?まぁでも曲がりません。
電動アシストユニット評価
YAMAHA> Shimano STEPS(MERIDA)>Panasonic
YAMAHAはアシストがかなり自然。「あっおれ今日は脚が良く回るな」という気分で踏めます。ただし、一番アシストが強いEXTPモード(エクストラパワーモード)と言うのだけ別枠。これはもうエンジン付きに乗ってる気分。営業の方が「EXTPモードは絶対試してください!」と一押しするだけあります。これは本当気持ち良い。踏んだ瞬間にギュンと加速。フロントがポンポン浮く。3台の中で唯一ウィリー出来ました。
SHIMANO STEPS(MERIDA)も比較的ナチュラルなアシスト。さすがシマノ。YAMAHAとの差はエスクトラパワーモードの様なドッカンパワーモードが有るか無いか、くらいなんじゃないかなと思います。一番強いモードでウィリーチャレンジしましたが、一瞬3cmくらい浮いたかな?という感じ。
Panasonicはアシストと脚の動きにギャップ。踏んだ瞬間に追随しない上、脚を止めてもアシストが残るような。単調な登りなら不満なさそうですが、漕ぎと脚を止めることを繰り返すテクニカルなセクションではストレスになりそう。一番強いモードでウィリーチャレンジ→一瞬たりとも浮くことは叶わず。フロントサスがものすごくソフトなセッティングだったのも影響しているかな?営業の方との会話も含めPanasonicが一番分かってない感が…。
総合評価
YAMAHA>Panasonic>MERIDA
もうダントツYAMAHA!ダサいとか言って申し訳ありません。コーナリングはそこそこクイックで、EXTPモードに入れれば重量を全く感じさせない運動性の高さ。これなら普段走ってるトレイルでも十分活躍してくれそう。エンジンと言う重量物を懸吊したモーターサイクルに関する長年のノウハウがあったからこそなんでしょうか?それとも10年前のデザインに電動アシストユニットを載せたら、たまたまそうなっただけ?
PanasonicとMERIDAは全然ダメ。既存の乗り方とは全く違う操作方法をマスターしないといけないのかもしれない。例えばコーナーでは脚を出すモトクロススタイルとか、後輪を滑らせるとかね。
正直、事前予想とは全く異なる印象を受ける結果となりました。
やっぱり乗ってみないとわからないですね。
電動アシスト、買う?買わない?
一つ分かったのは、ノンアシストで受け入れられているバイクのジオメトリーにそのままアシストユニットを載せたからそれがそのまま良いバイクになる訳ではない、と言うことです。10kg近いモノがBBより前に乗っかるんですから当然ですね。今後、電動アシスト車専用ジオメトリー、専用サスペンション、専用ポジションが必ず用意される日が来るはずです。今年からエンデューロでもE-bikeクラスが新設されますし、ノウハウは一気に蓄積されるでしょう。それまでは、急いで購入するはないかな。
競技場は2020オリンピックを控えて改装中
*1:Panasonicのスペックについてはフレーム製造元と推定されるFLYER社のUproc4を元にしました
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