現代的なディスクロードバイクに必要な工具

ディスクブレーキが付いててケーブル内装の現代的ロードバイクを所有する場合、どんな工具を買い足したら良いか、というエントリーです。過去にキャリパーブレーキのバイクを持っていて一通りの工具/ツール類は持っているという前提で。
上から優先度の高い順に載せてます。

精度の良い六角レンチセット

きっちり精度出た六角レンチセットは必要、特に2ミリ!。STIのブリーディングキャップのボルトが2mmで、ここは舐めやすい。レバーのストローク調整ネジも2mm。また、グループセットも現行のシリーズはディレイラー調整用のボルト類がプラスネジから2mmに変わってる。ここもトルクが掛かりやすいので精度の出ていない工具だと舐めてしまう。セット千円くらいのやつだとちょっと不安。HOZANのレンチセットが完璧に良い仕事する。1.5/2/2.5/3/4/5/6mmの7本セットなら2000円アンダー。この値段でストレスフリーになるならぜひ出すべき。マスト。というか今回A9を組むにあたってRDの調整ボルトをあやうく舐めかけて、急ぎ買いなおしたww

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ホーザン(HOZAN) ボールポイントレンチセット

 

ブリーディングキット

油圧のディスクブレーキは定期的にエア抜きが必要になる。要はエア抜き=キャリパーブレーキのケーブル交換ってことです。エアの噛んだブレーキを使い続けるのは安全性の面で非常にリスクが高い。「いつかやろう」「そのうちショップでやってもらおう」とか思ってると文字通り死にます。ケーブル切れかかってるのに「まだ大丈夫」とか言ってるやついたらドン引きでしょ?一緒に走りたくないでしょ?
作業は慣れれば10分程度で終わるし、良いツールを使えば難易度はけして高くはない。ezMTBというメーカーのを買ったけどこいつは良かった。名前はMTBだけど、当然ロードでもシクロクロスでも使える。

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ezMTBのブリーディングキット
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シリンジの強度が高く、使いやすい

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ブレーキオイル

工具じゃなくて消耗品だけど、必需品なので。(シマノ前提ですが)大容量の1Lを買っておくのが正解。エア抜きなんかは慣れないうちは大量のオイルを無駄にするので最初はこれ買うのがベター。慣れれば消費量ぐっと減るので、そうなったら小分けにして知合いに分けて恩を売りましょうw
消費量は1台50mlあれば余裕なんで、まぁ一生使えます。

 

メガネコンビネーションレンチ(7mmと8mm)

ブレーキキャリパーのケーブル接続部のネジが8mm。それからブレーキキャリパーのオイル挿入ボルトが7mm。ブレーキのブリーディングやオリーブの挿入に必要。当然小型のモンキーレンチでも代用できるが、あるとネジを舐めにくいし仕上がりもきれい。ここ舐めるとブレーキキャリパー買換えになる。特にリアブレーキは狭いエリアで作業するのでこういうのがあると便利。

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コンビネーションレンチ7mm、8mm

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オリーブの打ち込み工具とケーブルカッター

ディスクブレーキだとエア抜きやケーブル交換がどうしても発生する。その際にケーブルにオリーブという小さいパーツをねじ込む必要がある。この工具が無いと万力でケーブルを挟んでプラハンマーでオリーブを叩き込むという作業になるのだが、めっちゃ大変。この特殊工具があれば超捗る。ZTTOの安いやつで十分。なんならシマノの専用工具より使いやすい
ケーブルカッターはディスクブレーキのケーブル処理の際に。特殊工具だが、安価だし場所も取らないので買うべし。よく切れるカッターで切っても良いけど。今まで使ってたキャリパーブレーキ用のケーブルカッターだと断面潰れて使えないので注意。

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ZTTOのオリーブインサートツール
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ZTTOのケーブルカッター(通称断頭台)

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ケーブルルーティングツール

自分でバラ完するなら必須。アウターケーブルに細いワイヤーを付け、マグネットでフレームの外からケーブルを誘導するやり方。パークツールのやつは使いやすい。呼び用のケーブルがシリコンの被膜で覆っていて狭く引っ掛かりやすい箇所でも通しやすい。それと、ケーブルにねじ込むタイプのリードがあってこの機能あるとだいぶん楽。メンテナンスだけなら不要だが、安価だし場所も取らないのであっても困らない。タコ糸とリボン、掃除機を使う方法もあるが、専用工具の良さってやっぱある。あと当然だけどクロモリフレームには使えない。ZTTOのやつもまぁまぁ使える。ZTTOのはケーブルがシリコンで被膜されていないしリードの種類も少ないが、難しくない箇所なら問題ないと思う。難しくない、というのはダウンチューブの上から下まで一直線に通すようなケース。ハンドルステムに完全内装するタイプならパークツールが良いと思う。

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ZTTOのケーブルルーティンツール
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マグネットでケーブルを呼ぶやり方

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サーフェイシングツール

フレームやフォークのブレーキキャリパー取付面は塗装が乗ってたりして平面が出てない。そのため表面を薄くけずって平面を出してやるとタッチが格段に良くなる。気になると止まらないローターとキャリパーが擦れるシャリシャリ音も場合によっては減らせる。バラ完するなら、というか持ち込むショップが無くて自分でやるなら揃えたいアイテム。現状フラットマウント規格やブースト規格に対応しているのはパークツールだけ、さすが。高額なので仲間うちでお金を出し合って買いましょう
ぶっちゃけ持ってない店、あると思います。

【使い方動画】

youtu.be

個人的に要らないと思うもの

ショップのブログとかで紹介されているけど、自分は不要だなって思うもの。
・ディスクセンタリングアダプター⇒手で簡単に調整できる
・ブレーキピストンレバー⇒マイナスドライバーで代用可
・ローター歪みなおしツール⇒滅多に歪まない。周りでまだ一人もいない。
この辺は好みで。必要無いというか、困ってから考えても間に合うかな。

 

その他

スルーアクスルのディスクロードでは、ロードバイクで定番の、リアのクイックリリースを左右から挟むタイプのスタンドが使えなくなる。なのでスタンドは見直すべし。チェーンステイとシートステイを支えるタイプが一個あると良い。個人的にはがっちりしたメンテナンススタンドも併用する派。特にエア抜きの場合はバイクに角度を付けて固定するケースが結構ある。なのであるとだいぶん違う。
あとは、これも消耗品だけどブレーキクリーナーかな。ブレーキメンテで油を使うのでいろんなところが油まみれになりやすい。放置してブレーキローターに着いて効きが悪くなってもやっかい。ブレーキクリーナーでガンガン飛ばした方が作業楽。キャリパーブレーキバイクだと、ほんとたまにしか出番が無い(カセットスプロケットの掃除くらい?)けど、ディスクロードだと頻繁に使う。大容量のを買っておきましょう。


 

こんな感じかな。

ちゃんとした工具を持っておけば、結果としてメンテナンス時間も減らせるし、無用なトラブルも回避できるんではないかと思う。

 

余談だけど、やっぱHOZANとパークツールはすごい。だいたいなんでも専用工具が出てるし、そのどれもが使いやすい。A9を組むのにチームメイトからちょっと工具を借りたりしたけど、「うわ、この工具使いやすっ!」ってなったもん。ぜんぶこいつらで揃えると金が掛かってしょうがないので、あんま使わないところは手抜きしても良いんじゃないかな。たまにしか使わない工具は仲間内で共用するとかね。

コメント

  1. kuma2vanilla より:

    次はディスクロードを買いたいなと思っているのでとても参考になりました!
    HOZANは精密機器製造工場でかなり使われていて、とても信頼性が高いです。
    航空・宇宙系の分野でも使っています!

  2. kisuke1234 より:

    id:kuma2vanilla
    HOZANは良いですね。耐久性が良くてショップで毎日使うことを想定していることが伺えます。もしかして、中の人ですか?

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