自分が良く走る関東のグラベルフィールドって、だいたいこんな感じ
- グラベルは主に林業林道(砕石を撒いたダブルトラック)
- 場合によってはシングルトラックも走る
- 山岳エリアが多く獲得標高が大きい
- ルート全体の未舗装率は30%くらい
舗装メインで移動して山の中の林道に入り、たまにシングルトラックもこなす。こういったところを走ることが多いので、バイクに求める性能もそれに沿ったものになる
つまり、大きな獲得標高でも疲労しにくい軽量なバイク、急峻な地形でも扱いやすいコントロール性の良いバイクだ
軽量でハンドリングが良く、荷物は大量に載せなくて良い…それ別にシクロクロスバイクで良いのでは?
吊るしのシクロクロスバイクでグラベルを走っても良いのだが、グラベルライドに合ったモデファイを行うともっと良くなる
もしかしたら誰かの役に立つかもということで、自分のシクロクロスバイクにどういったことをしたか、メモがてら残しておく
ポジション
まずはポジションをグラベル向けに
ハンドルは高く、サドルは低く
シクロクロスは30~60分のスプリント競技。とにかく短時間でパワーを確実に路面に伝える前提のポジションとなっている。フィッティングとしては意外とロードバイクに近い
対してグラベルライドでは半日~終日バイクに乗る。そのため疲れにくくコントロール性を重視したポジションとなる。自分の場合、シクロクロス仕様よりさらにハンドルをしゃくって手前に上に持ってきている。数値だと高さで20mm、リーチ方向で10mmほど手前(欲を言えばもう15mmくらい高くても良い)
また、サドルはダウンヒルでの取り回しを考慮して10mmほど下げている
機材
とにかくシクロクロスバイクをグラベル仕様にするにあたり、一番投資対効果が高いのはタイヤ
タイヤを太く専用のものに
シクロクロスタイヤはレース専用タイヤなのでグラベルユースには全く向かない。欠点は以下の通り
- タイヤ剛性が低くリム打ちしやすい
- 砂利路面でのグリップが弱い
- ノブ高で舗装面での路面抵抗が大きい
- トレッドゴムがソフトで寿命が短い
グラベルで使うならグラベル専用で、太目のタイヤを履かせるのがベター。タイヤを交換したら信じられないくらい走るようになって笑ったよね
自分はIRCのBOKENシリーズをメインで使っている。ビードが上がりやすいのと、耐久性が高いところがお気に入り
観測範囲ではパナレーサーグラベルキングシリーズやWTB、スペシャライズドなども人気
オフロード性能、オンロード性能、耐久性、信頼性、メンテナンス性、乗り手のスキルなど複数の要因が絡むので、これを買えばベスト、みたいなものは特に無い
ちなみに自分の周りはチューブレス率がほぼ100%
世の中的には意外とチューブ使用率が高くて驚いている
というか、グラベルメインで走るグラベルロードはみんなチューブレスなん?それともチューブド(クリンチャー)なん?
— 西園寺かっく (@saionji_kuck) September 24, 2023
ギア比をワイドに
シクロクロスレースだと、フロント40tで、リアのカセットは11-34あたりが標準的なセットアップ。これでもだいたいのグラベルは走れてしまう。が、8%を超える急坂をのんびりペースでは走ることは出来ない
そこで、ワイドなカセットスプロケットは入れるとかなり登りが楽になる。最低でもギア比1:1くらい欲しい。自分はF40tのチェンリングに、11-42tのカセットを組み合わせている。これでギア比0.95。これくらいだとだいたいどこでも走れる
MTBなどに見られる50tオーバーのカセットスプロケットは、まぁあったら良いと思うけど、そこまで必要でも無いかな。あの手の超低ギア比は、MTBの太いタイヤとRサスペンションによる高トラクションがあって初めて真価を発揮するものなので
サドルはソフトなものへ
シクロクロスは30~60分のスプリント競技。軽量で細身のサドルが好まれる傾向がある
シクロクロスのときはDMRのOioiサドル
グラベルでは低~中出力で長時間走ることが多く、パッドが厚くてしっかりしたものを付けるのが良い。ビブショーツではなく短パンでのライドなんかのときにも便利
グラベルライドではXDSという2000円くらいで買った中華サドルを使っている。ちょうど良い柔らかさで、1年酷使してるが全然ヘタらないし、めちゃくちゃ調子良いw
(製造メーカーはセラロイヤル)
ボトルケージとボトル
シクロクロスでは担ぎがあるのでボトルは付けない
グラベルでは当然ボトルは付ける。ボントレガーのバットケージにEliteのFlyボトルの組み合わせが現時点では気に入っている。なぜならライド中一度も脱落したことが無いから。ライド中にトラブルがない、というのは選ぶうえで非常に重視しているポイント
バッグ類の装着
日本はコンビニインフラは整っており、バイクパッキング的装備は不要だ。それはそれとして荷物はある程度持ち込む必要がある。
- 補給食
- Goproの予備バッテリー
- ツール類(ミニツール、ポンプ、Co2、予備チューブ、バルブ、ミッシングリンク等)
- 輪行袋
- ウィンドブレーカー
バッグはですね…アピデュラを買うのが正解。サイズの豊富さ、防水性、機能、信頼性、コストパフォーマンスではここに追随できることろが無い。円安でも価格改定をしないので、なぜか日本国内の価格が本国より安い(2023年9月現在)のもなんかすごい
(必要に応じてマッドガード)
林間だと日が差さないところはどうしてもウェットコンディションとなる。マッドガードはお好みで
自分は面倒なので着けない派。サドルバッグがフェンダー代わりになって、だいたいはなんとかなる。フェンダー付けないと面倒なのは洗濯だけw
回りで評価が高いのはAss SaversのWin-Wing
これ日本に入ってなくて現状海外通販しかないのだけど、フタバさんはよ国内展開やってくれ
↑24年から国内でも販売が始まりました
不要なモデファイ
別にこれはやらんでも、というのもある
過剰な軽量化、舗装路面での性能追求、タイヤインサートあたりは不要かな
ロードバイクとグラベルバイクのどちらも乗っていると、舗装路面でのかったるさが気になるのだが、ここに拘ってロードバイクに寄せて行くと、信頼性やグラベルライドの走行性能が落ちてしまう。メインであるグラベルでの性能、つまりタフさやサバイバビリティを第一に考えたい
また、タイヤインサートは周回のシクロクロスレースで、パンクしてもピットレーンまでは辿り着くことができる、みたいなシーンで役に立つもの。グラベルライドではむしろつけ外しの面倒さなどのデメリットが目立つ
シクロクロスバイクの限界点
こう書いてると、シクロクロスバイク万能?と思ってしまうかもしれないが、当然ガチグラベルバイクではないので、やはりそれなりに問題はある
- ホイールベースが短く、フロントタイヤがつま先に当たる
- ハンドルバーが狭くハイスピード領域でリスキーな挙動になる
- ドロッパーシートポストやサスペンションなどへの拡張性が無い
- フレームデザインがレーシーなものが多く、グラベルで浮く
この辺はどうしようもないかな。こういうネガが気になってきたら、それはグラベルバイクを買い足すタイミングだと思う
まとめ
こんな感じでシクロクロスバイクをグラベルバイクとして運用してるよ、というエントリーでした
それでは皆様良いグラベルライフを
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