自分自身はトラックライダーではないが、過去川崎競輪場を何回か走ったことがある。そこで得られた知見は、俺は絶対にスプリンターではないな、という当たり前のことだった。もちろんZwiftの脚質分析ツールでもばっちり「ルーラー」である。
選手目線からの川崎競輪場トラック
スプリンターとしての才能は生まれつきのものなので、練習したからスプリントが大幅に強くなるわけではない。「ロバは鍛えても速いロバになるだけ」。どれほど努力しても駿馬にはなれない。厳しい現実だ。
とはいえ、昨年から始めたシクロクロスでは個の力が重要になる。チームのロードレースではアシストとして徹する限りこの辺はあまり重視されないが、シクロクロスで勝ちたいならせめて「速いロバ」になれないといけない。一定のスキルとアタック力、それにほんの少しのスプリント力さえあれば、勝ちが入ってくる可能性が出てくる。
というタイミングでトラックトレーニング・マニュアル販売のニュースを見た。
【選手・指導者向け】「全てのトラック短距離選手の為に」元世界王者エドワード・ドーキンスがトレーニングマニュアルを販売
morecadence.jp
よし、買ってみよう。
早速買ってみた
値段
「Stationary Bike Training Guide」「Wattbike Training Guide」の2種類。それぞれ99ニュージーランドドル(約7000円)。2つ買うと1万4000円ほど。買ってみないと内容分からないので両方買ってみた。PayPalで決済するとPDFのマニュアルダウンロードリンクが送られてくる。郵送とかだったらどうしようと考えてたが杞憂だった。
内容
名前から分かる通り、固定ローラー(Stationary Bike)とワットバイクで、トラック競技のトレーニング方法をいかにするかが記載されている。「スタンディングスタート」「最大パワー」「最大スピード」など、目的別のトレーニングメニューと、目的に沿った週間メニューが記載されている。文章はすべて英語だがGoogle翻訳等を併用すれば理解が難しい箇所はほとんどない。平易な文章だし、自転車用語が多用されているので斜め読みでもなんとなく分かる。
ちなみに買って分かったけど、2つの違いはほとんどない。欲しい方はどちらか買えば良いと思う。
内容のレベル(というかどの程度高度なのか)というところでは、競輪学校等で行われる専門性の高いメニューよりは簡易で、かといって市井のトラック練習会で行われるメニューよりは複雑、というところだろうと思う。ゼロから始めるなら十分だが、トラック競技経験者(特にハイアマチュア)には物足りないかもしれない。自分には十分なレベルだった。
活用
読んで「おーなるほど」と感じることもあったので、チームのロード練習時にゴールスプリント強化を目的として部分的に取り入れた。今まではとりあえずオールアウトすればOKという感じだったが、時間、強度、レストをしっかり意識してやると強くなれるような気がする(気がするだけかも)
このところの家トレーニングはZwiftのメニューをこなすか、レースに出るかがメインで、Vo2MAXの強化を中心に行っている。この部分のトレーニング効果が薄くなってきてプラトーに陥ったらこのマニュアルに載っているトレーニングに取り組むのもありかもしれない。
その他
トラック競技をやってる人は絶対取り入れているであろう筋トレメニューが載っていないのが残念。それから、トラックでのトレーニングではタイムという形で成果を確認してゆけるが、当然ローラー台ではフィードバックがない。この辺、つまり成長の評価をどのように行うのか、といったところも欲しかった。
ぶっちゃけ7000円は高いと思う。が、トラック競技用のマニュアルなんて結構マニアックだと思うので、希少性という点では致し方ないのかもしれない。しかも著者は元世界チャンプである。
これで夏には赤パプリカみたいなパツンパツンに太い脚に!w
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