- 本エントリーの結論は、シクロクロッサーの7割はおじさんのため、AJOCCのレギュレーション変更、特にマスターズに関する部分は影響大、ということです
AJOCCのレギュレーション変更(22-23)
今年のシクロクロスレースだが、レギュレーション変更で盛り上がっている
このページが分かりやすくまとまっているが、「日本のシクロクロスレースのレギュレーションも、今後UCI規定に沿ったものに変えていくよ(いきたいよ)」という大きな方向性があって、具体的に「マスターズを年齢別に分ける」「マスターズカテゴリーでは「昇格」がなくなる」といったことが決まったようだ。
これ個人的には是非もないことだと思っている。競技としてガラパゴス化せず世界に繋がっているべきだと思うし、レギュレーションが国内外で大きく異なるのは、世界を目指すようなライダーにはストレスだろう
しかし今回のレギュレーション変更、自分の周りではどちらかというとネガティブな反応が目立つ。どのような要因で発生しているのだろうか?
まぁ簡単に言えばシクロクロッサーはおじさんばっかり、ということなんですよ
シクロクロッサーの年齢分布
AJOCCサイトでは全シクロクロッサーの年齢カテゴリが確認可能だ。今回は分かりやすくするために、成人男性が参加可能なレース、C1~C4、M1~M3の合計7カテゴリに絞って調査を行った
この7カテゴリに、21-22シーズンで2,740名のライダーが参戦(C1~C4で1,746名、CM1~CM3で994名)している
その2740名の年齢構成比は下図の通り(Plover Cycles調べ)(1才刻みではなく、年齢カテゴリ別)
国内シクロクロッサーの年齢構成調査、たぶん初めてじゃないかな。もちろんAJOCCの中の人は知ってると思うけど。
マスターズ年齢は全体の73%!
19~34才の若いライダーが25%しかいない…
レース会場で自分も含めおっさん多いなぁとは思ってたが、想像以上だ
タイトル付けるなら「(悲報)シクロクロス、おっさんのスポーツ」とかになりそう…
もちろんこれは、高齢人口構成比が高いという日本特有の事情が背景にあり、いわば「日本の縮図」でもある。とりたてて若いライダーの参加率が低いわけではない(参考に、上表に人口100万人当たりの参加人数も添えている)
昇格がないと…
このような年齢構成でのレギュレーション変更、特に「マスターズは昇格無し」は意味が大きい
自分自身シクロクロッサーとしてレースに参加してて「昇格」を重視している。次こそは昇格、次こそは…と考えるからこそモチベーションをキープしてるわけだ。多くのシクロクロッサーは昇格目的で参加していると言っても過言ではないだろう
そんな中、「マスターズカテゴリの方は今後昇格ありません」と言われたら…
全シクロクロッサーのうち7割がおじさん(マスターズ)なのだから、影響は極めて大きくなる
特に、CM1とCM2のライダーは悩ましい。
・次年度以降CM1がなくなるかもしれない
・C2あるいはC3に移行してしまうか…
・いやしかしCカテは激戦区
・今年CMポイントを取れないと降格するし…
・CMのポイントが取れる関西まで遠征する??
・いやしかしそれはどうなの…
・MMで勝ってCM1昇格→次年度C2がベスト?(CM2の場合)
などなど…。なんといってもカテゴリー変更は年に1回しかできないので初戦のエントリーで今シーズンのすべてが決まってしまう。悩みは尽きない
今年の運用の混乱は…
レースをオーガナイズしているのはAJOCCではなく、各エリアにある運営団体(関西シクロクロス、湘南シクロクロスなど)がレースを運営している。7割を超えるボリュームゾーンたるマスターズがレースから離れてしまうかも?というのはかなり頭を悩ませていると思う。
多くの運営が今年もCM1を残しているのは、そういったマスターズに対する配慮ではないかと思う。そういう意味ではAJOCC⇔運営団体の綱引きの結果なのかな
【補足】識者よりコメントがあったので追記
大変大きな誤解をされているようですが、AJOCC=主催者団体なので、綱引きのしようがないです。1チームでサッカーやってるようなもんです。
JCFとならまだわかるけど。 https://t.co/iEx1R1i56B
— Hisanori Mario Ueda 🎌 (@HisanoriUeda) September 6, 2022
茨城、幕張、湘南、野辺山の主催者がどうしても年齢別にしたいとおっしゃるので年齢別が導入されました。関西は導入する予定は全くありません。それだけのことです。「過渡期」や「移行措置」などと発信されるのは印象操作であって、非常に迷惑しています。
— Hisanori Mario Ueda 🎌 (@HisanoriUeda) September 6, 2022
中の人(に近い人)のコメント非常にありがたい
AJOCCは主催者団体というのは私も知らなかった。ただ、やはり主催者側内部にも様々な意見があり、綱引きめいたことがあったことは事実のようにも取れる?
とはいえ…
レギュレーションをUCI基準に近づけたいAJOCCにも正義があり、ボリュームゾーンたるマスターズを大事にしたい運営団体にも正義がある。グローバルスタンダードか、現実を見据えたローカライズか…。難しい問題ではあるが、多くのシクロクロッサーが自身も参加者として考え、意見を出して行くことが界隈の健全な発展に繋がるんじゃないかな
【あとがき】
推敲していたのだが全然まとまらず、ちょっと雑な書き方になってしまった。ただこれに関してはシーズンが始まる前にエントリーを上げるべきかな、と思い半分下書き状態で書いてしまった
・人は何才から自分をマスターズと自認するのか
・カテゴリー別年齢分布に見られる特徴
・加齢によるパフォーマンスの低下とカテゴリー
・カテゴリーが変わるとチーム名にも特徴が出る
とか、他にも色々あったが今回のエントリーでは割愛。時間があったら加筆しようと思う
【追記】
関西シクロクロスが年齢構成とタイムの相関についてエントリーを上げておられた
言うところは良くわかる。あとはUCIとの齟齬をどうするかという話
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