グラベルライドに関するレッスンをやったら想像以上に大きな効果があり、こういった取り組みは今後も必要だと思いましたってエントリーです
レッスンが必要な背景
オフロード経験が無い人がグラベルデビューするケースが増えているなと感じます。最近Xでアンケート取ったら、全体の6割がマウンテンバイクの経験がありませんでした。この数字はほぼオフロード経験なしの比率とみて良いでしょう
メディアなどで取り上げられるグラベルって、地平線まで広がる広大で道幅の広い締まった砂利道、みたいなものですが、日本のグラベルシチュエーションは様相がかなり異なります。一言で言うと難しいです
日本は山がち
日本はユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートという4つの大きなプレートがぶつかり合う場所に位置していて、これが山岳地帯を形成しています。河川の急峻さを表した図は社会科教科書の定番でしたね。親の顔より見た比較図!
日本は雨量が多い
回りが海で中緯度地帯ですから雨量は多いです。ちなみに世界平均の1.7倍くらいの雨量があるらしい
よって日本のグラベルは難易度が高い
山がちなので登り下りとも急こう配です。さらに雨量が多いので未舗装路面表面の細かな土や砂利はすぐに流されます。残るのは大きい石、水が流れた溝、台風の後は倒木Etc.
倒木や溝を避けながら急こう配をかなりのスピードで駆け下りるわけで、非常に非常に難易度が高いです
オフロードサイクリングの基礎が無い6割の人がそこを走ると、相当数が恐怖を感じるはず。もちろん運動神経の良い人はすぐ順応するでしょうし、上記のような激しいオフロードを走らない人もいるでしょう。観測範囲で根拠は無いのですが、グラベルライドを楽しむ層の2~3割はオフロードを走るスキルが不足しているように見えます
90年代MTBブームの教訓
90年代にMTBブームが起きたとき、スキル習得のやり方は超乱暴でした。ベテランがニュービーをとりあえず山の上に連れいき、あとは頑張って下ってこいよ!!それで怪我しなかったやつだけ生き残る、こういう我流スタイルでみんな走れるようになりました。ハンターハンターの天空闘技場方式ですね。念能力に対応できないやつは死あるのみ
当然恐怖を感じて離れる人が暗数としていっぱいいたと思います
そこから30年経過し今はもう令和です。そんな野蛮なスタイルをグラベルでも新規ユーザーに要求するんですか?そういうドロップアウトは出来るだけ出したくないな、という思いがあります
誰がレッスンをやるか?
ニーズはあると思うのですが、そういうレッスンをやってるところをほとんど見かけません。マーケットとして小さいのでビジネスとしては成立しませんし、ショップもメディアも、なんならライダー自身も必要性を感じてないかもしれません。グラベルにそこまでのスキルは不要、と。
しかしながら自分たちはこれは必要と感じているので、レッスンをすることにしました
レッスンの主催は、5G!の管理人たかすさんです
日時
2025年3月15日(日)
天候
曇りのち雨 最高気温12度くらい
メンバー
自分ともう一人が講師を行って、他に9名参加して合計11名。MTB経験者が少し混ざってますが、ほぼ全員がグラベルバイクからオフロードデビューした方たちです
- 中華チタンモンスターグラベル
- FUJI Jari Carbon
- Liv Devote
- VAAST A/1
- Corner Bikes
- TNI CX-EXTRA
- Skler Super Something
- Bianchi IMPULSO
- Fuji Jari
- Santacruz Stigmata
- Canyon Grail(Gen2)
レッスンの内容
2部構成、スキルと装備に分けて実施
スキルレッスン
ここは自分が担当しました。内容的にはマウンテンバイクの基礎レッスンとほぼ同じような内容です
- 基本姿勢
- 激坂登りと下り
- フロントアップとリアアップ
- 漕ぎ上げ
- スタンディング
ほとんど全員フロントアップもリアアップが出来なかったのに、コツを教えたら30分でこれ!すごい!ちなみにこの動作は木の幹を乗り越えたり、溝の上を通り過ぎたりするときにあると便利なスキルです
フロントアップもリアアップもできない人に30分ほど練習してもらった成果。これできると倒木や石(凸)だけじゃなくて、水の流れた後にできる溝など(凹)がクリアできるからマージンが上がるんですよね pic.twitter.com/NbasRhy4wm
— Teppei (@Teppei92983090) March 16, 2025
漕ぎ上げは習熟に差が出ましたがみんなコツは掴んだようです。スタンディングは全員苦労してました
ちょっと良いなと思ったのは、”レッスン”という形を取ることで、みんな前向きに話を聞いてくれたことです。普段のグループライドで何かしらの指摘をしてもスルーされるケースが多いのですが、“受講者とコーチという関係性”だとマインドセットから違うわけ。あとは繰り返し練習するので習熟を自覚しやすいのも大きいのかも
装備や知識のレッスン
ここはもう一人が担当しました。自分は参加してないので割愛。ざっと下のような内容だった模様
- グラベルライドを楽しむ機材/アクセサリーについて
- ハンドサインやマップの読み方等
- パッキング、バッグ類のチョイス
- グラベルライドを楽しむうえでの基本的なマナー
レッスンの効果
スキルレッスンの効果は絶大でしたね。レッスンのあとに近くのグラベル(というかトレイル)を走りましたが、明らかに全員走りがレベルアップしてるのを感じました

今まで足着きしてた激坂をはじめて足着かずにクリアできました!

ほんのちょっとのことなのに恐怖感が薄れて感動!
こういう風に書くと嘘くさい(笑)
まとめ
これはやって良かったです。こういう金にならないことはコミュニティの仕事なのかなぁとか、長くサイクリングしてきた恩返しをしたいなとか、まぁそういう気持ちで続けていけたらと考えますね
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