VAAST bikesという新興バイクメーカーが日本上陸予定なのだという
このVAAST、フレームにかなり珍しいマグネシウムを採用したアメリカのメーカーだ。試乗することが出来たので早速日本最速レビュー!!!
乗せてもらったのはA/1という、本国サイトでは”オールロード”として紹介されているモデル。サイズはXSとLがあってどちらも乗って試してみた。
ジオメトリー
まずはジオメトリー。ロングホイールベースでこれはいわゆるグラベルバイクと見て良いだろう。自分ならMがちょう良いかな。参考に今自分が乗ってるシクロクロスバイク、Canyon Inflite(S)も掲載した
ホイールベース(WB)もリヤセンター(CS)もロードよりは長いが、ガチグラベルバイクよりは短い。かといってシクロクロスバイクほど短くもない。中庸と言えば中庸だが、日本のグラベルシーンではこれくらいが使いやすそう。
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VAAST A/1 |
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Canyon Inflite SL |
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XS |
S |
M |
L |
S |
Reach |
356 |
365 |
380 |
395 |
388 |
Stack |
514 |
536 |
563 |
595 |
547 |
TT |
518 |
534 |
557 |
583 |
550 |
WB |
998 |
1008 |
1023 |
1038 |
1006 |
BB |
68 |
68 |
68 |
68 |
66 |
CS |
425 |
425 |
425 |
425 |
425 |
STL |
500 |
520 |
540 |
560 |
512 |
STA |
72.5 |
72.5 |
72.5 |
72.5 |
73.5 |
HTL |
95 |
115 |
140 |
170 |
119 |
HTA |
69.5 |
70 |
71 |
72 |
72.25 |
パーツアッセンブル
試乗したのはこんな仕様
グループセット |
シマノGRX11速 |
ホイール |
スタンズ×オリジナルハブ |
タイヤ |
マキシス |
ハンドルステム |
VAASTオリジナル |
サドル |
WTB |
さすがアメリカンバイクメーカーだけあって、同じアメリカメーカーのパーツ類で固めている。リムが軽さと走りの良さで定評あるスタンズを採用しているところはかなり高ポイント
ハンドルバーはもちろんフレアタイプ。フレア具合は控えめ。
気になったのはブレーキが左前だったこと。日本では右前で乗ってる人が圧倒的に多く、ほとんどの人は組み替えてから乗る必要がある(今のところメーカー出荷時に日本仕様には出来ないとのこと)
重量
手に持った感じ、GRX/700Cホイールの構成で9.3~9.4kgくらいかな?結構軽い
その他
深みのある赤塗装に、控えめサイズのメーカーロゴで大人の佇まい。
金属材では難しいドロップチェーンステイを採用しており、バイクの横顔に個性を添えている。これは太いタイヤを履けるというメリットも当然あるだろう。
ダボ穴関係は、前三角内に2か所+フォーク横。あとはラックマウントがリヤエンド部に設けられている。グラベル寄りのキャラクターなんだし、ダウンチューブ下にもあると良いなと思った
インプレッション
どうでも良いけど、インプレッションがあまりない機材について書くの、結構緊張するな…。俺はこう感じたって書いたあとに、メディアとかで全然違うこと書かれたら凹みそうw
試乗は距離は8㎞ほどと短いながらも、激坂あり荒れた舗装路ありグラベルありのルート。適当に舗装路をちょっとだけ走らせてもらうやつじゃないので、バイクのキャラクターがはっきりわかった
マグネシウムってアルミの仲間でしょ?結構固いのかな…という先入観があったのだが、乗り心地はかなりシルキー。グラベルの角が落とされたように感じ、速度を出しても不快感が出てこない。ぜんぜんアルミと違うじゃん!カーボンのフォークも細身で、良く振動を吸収している。フレームがほぼホリゾンタルになっていて、長めのシートステイが振動吸収に一役買ってるとのこと
軽量スチールのようなしなりがあり、ウィップがあるためダンシングが超楽しい
剛性はそこまでじゃないから激坂の登りは苦手だよ、と聞いていたのだが、自分の脚力ではそこまで感じなかった。舗装の登りで思いっきりもがいたのだが力が逃げるような印象は無し
価格
GRX組で40万ちょっとってGRX600(11速)で42万円だそうです。捨てるパーツも無いし、昨今のバイク価格を考えるとリーズナブルな方?
まとめ
まさにマルチパーパスなオールロード
舗装もグラベルも、なんならシクロクロスもイケるジオメトリー。大人っぽいルックス。尖ったところがない乗り心地。捨てるところがないパーツアッセンブル。バランス良いバイクですよこれ。おじさんの上がりバイクにも良いし、グラベル入門として1台目に選ぶのも良い。特にグラベル入門機は乗ってて怖く感じないことが大事だし、買ってからシクロクロスレースに出ることもままある(みんなシクロクロスやろうぜ!)。カーボンでガチガチの尖ったバイクよりこういうのいいんじゃないかな~
ただ、ダボの拡張性や、やや短めのホイールベースを考えると、バイクパッキングのような用途で使うにはちょっと頑張りが必要かも
これは個人的にかなり欲しい。。。
【余談1】
マグネシウムをメイン素材とした理由は、その振動吸収性能はもちろん、リサイクルできるSDGsの観点からという理由もある。
と、サイクルスポーツの記事には書いてあったが、じゃぁ実際にどうやってマテリアルリサイクルに乗せていくのかというのは、VAAST本国のサイトなどを見ても良く分からなかった。例えば本体価格にリサイクルフィーが上乗せされていて、VAASTの工場へ返却するとそのフィーがユーザーに帰ってくる、みたいなスキームがあるわけではない。あくまでもマグネシウムはリサイクルフレンドリーな素材、ということらしい
行政サイトもいくつか覗いてみたが、アルミ缶のような再利用も今はなさそう
それから金属系の買取相場も確認してみたけど、マグネシウムに関しては記載なし
日本国内ではマグネシウムの中古流通/マテリアルリサイクルはかなりレアの模様。この辺はこれからなのか?
〇元素としてのマグネシウム
〇マグネシウム合金
【余談2】
難加工材だと思うのだが、VAASTのフレームはAlliteというメーカーのマグネシウム材を使っているみたいだ。
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