グラベルバイク/ライド、盛んにメディアで取り上げられるようになった。
今月のバイシクルクラブの特集なんて「グラベルバイクの世界」である。
こういうメディアの温度感に対して、自分の肌感覚としては、グラベルバイク/ライドは全然注目されていないように感じる。
というのも、今年グラベルライドに関するエントリーをいくつか書いたが、アクセスが全くないからだ。特定のキーワード検索ではGoogle一頁目に来る程度には上位なので、そもそも検索している人が非常に少ないと思われる。また別途で立ち上げた5Gの方もたまーに連絡がある程度で思ったほどでもない。
このギャップは何なのか？
そもそも世界的に流行ってる？グーグルトレンドで調べてみた。
まず英語圏の情報を調べてみよう。
英語で「road bike」「mountain bike」「gravel bike」検索されている数の比較
赤線がmountain bike、青線がroad bike、緑線がgravel bike
…意外にもmountain bike人気NO.1！！！ついでroad bikeが来て、最後にgravel bikeと来る。もっと長いスパンで確認するとここ3年でぐぐっと検索数が伸びている。だいたい、road bikeを100としたときにgravel bikeは20前後となっていて、gravel bikeが第三勢力として現在力を得ていることが伺える。世界的にはトレンドと言って間違いなさそうだ。
つづいて日本語で「ロードバイク」「マウンテンバイク」「グラベルロード」での検索数の比較。
赤線がマウンテンバイク、青線がロードバイク、緑線がグラベルロード
…グラベル、人気なさすぎる(笑)
ロードを100としたときグラベルは１か２くらい？
どうして日本ではグラベルバイク/ライドが不人気なのか…。もっというと世界的には人気があると思われるマウンテンバイクとグラベルバイク、つまりオフロードアクティビティ検索数がロードと比べると格段に低い。なぜなのか。
前にエントリーを上げた「イギリスの通行権とMTB文化」で仮の結論を出しているが、そのカテゴリーが一定の規模を持つには、フィールドが身の回りに沢山ある必要がある。翻って日本を見ると国内の道路、ほぼ完ぺきに舗装されている。未舗装路を探すと山奥の林道とかが出てきてぜんぜん身近じゃない。みんながみんなトランポを持ってるわけではないし、毎週毎週山奥までツーリングするのは狂人マニア。流行らないのもむべなるかな。
結論。フィールドが無いから流行らない。
ジャマイカでスキーが流行るか？アラスカでサーフィンが流行るか？つまりはそういうことだ。
というわけで、グーグルトレンドという間接的な根拠ではあるが、日本ではグラベルは全く流行ってないと思われる*3。その理由は、イギリスのMTB人気分析から導き出される。すなわちフィールド不足。メディアは継続してロードバイクをプッシュした方が合理的ではないかな。
メーカー的にはグラベルバイクの構成比を増やしたりするだろうし、プロモーションも積極的に行われると思うので、今後はいくぶんは人気が出てくるのだろうか。
ちなみに自分の周りだとグラベルバイクを買ってるのはほぼ100%MTB所有者で、MTBだと物足りないけどロードバイクでは微妙に走れない場所用として購入するケースが目立つ。そしてほとんど全員トランポを所有している。日本のグラベルマーケット、ユーザー数の拡大よりも少数ユーザーのシェア争いの意味合いが強く感じる。新規参入の少ない趣味は先細りになるから、どうやって新しいユーザーを獲得するかが重要なんじゃないかと思う。
ただ、フィールド不足は覆せない。火のない所に煙が出るわけもなく、メディアの中だけで流行ってる虚ろなブームに終わりそうな気がする。メディア、メーカー、ディストリビューター、ショップ各社は、「日本的グラベルバイクの遊び方」、つまりローカライズを真剣に考え、提案していく必要があるのではないかと思う。それは、トランポを使わない、家から1時間くらいのエリアで見つかるグラベル遊び提案なんじゃないかな。
あとは「グラベル(砂利)バイク/ロード」というオフロード前提の名前をなんとかしないとなぁ。この名前に引っ張られすぎる傾向があると思うんだ。
【追記】
DAVOSやSim Worksなど、日本のフィールドを意識したバイクも目にするようになった。機会があったら乗ってみたい。
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